注目集まる「中高一貫校」 一方で気になる家計負担
4月、入学のシーズンです。今年も多くの新入生が新たな学校生活をスタートしました。
私が子供の時とは異なり、小学校受験、中学校受験もそれほど珍しいものではなくなってきました。また近年では教育雑誌だけでなく、経済雑誌でも特集が組まれるほどになった中高一貫校がクローズアップされています。
もともとは私立の大学、高校が付属校、系列校として独自の教育理念、教育カリキュラムの実現のために行われてきたもの(経営的に見れば学生数の確保)でしょうが、公立の中高一貫校が設立され大学受験結果や前評判からにわかに注目を集めています。とは言え、まだまだ主流は私立、私立となると氣になるのは教育費(授業料)ですね。
学びへの投資、子供への投資、十分なリターンを考えれば「安いもの」と考えることはできるでしょう。しかし公立に比べれば家計への負担は大きく、少なくとも中高6年間、その後の進学先によってさらに4年以上「私立」に固定されてしまいます。従って、中長期的に収入状況、ファミリーライフイベント、他の兄弟の進学、進路を再考、再確認する必要があります。
「特待生制度」をあてにするのは危険
その際注意していただきたいのは「特待生制度」。一部の私立では、優秀な生徒を集めるために特待生制度があり、授業料等の免除を行っています。
「うちの子も特待生になればなんとかやっていけるかもしれない!」と安易に考えるのは危険です!
都内のある私立の中高一貫の特待生制度では、特待生をS特待、A特待、B特待に分けています。S特待は、入学金、施設費、授業料全額免除、A特待は、入学金、施設費、授業半額免除、B特待は、入学金、施設費免除となっています。S特待、A特待は授業料が絡むので1年間有効ですが、B特待の場合は入学時のみで年間50万円程度の授業料は必要となります。
また、S特待、A特待もあくまでも「1年間」であって、その後の5年間は授業料免除であり続けられる保証はありません。
学校に支払うのは授業料だけでなく、施設維持費、教材費、諸経費も考慮しなくてはならず、こちら免除対象外。必ずしも通う学校が徒歩圏内にあるわけではなく通学交通費も考慮が必要になります。
その上、公立でもかかるものでは制服代がありますが私立は頭の先からつま先、持ち物まで学校指定品が多いので公立より高くなり、修学旅行などの積立もサマーキャンプや研修旅行など回数も多く、訪問地も海外の場合があり1回にかかる費用も高くなるので積立額も多くなるのが通常です。
このように考えると「特待生制度」は、綱渡り的に考えるのではなく、一般生として収支が問題ない場合「特待生」で免除された分を貯蓄や他のイベントに活用するのが良いと思われます。