ミャンマーという国の魅力と今後の課題を次にまとめてみた。
ミャンマー投資の《メリット》
1)低賃金で若い豊富な労働力があり、生産拠点として大きな魅力がある。(製造業の一般工職の月額基本給は約78USドル)
2)6200万人以上の人口を有し、今後の消費市場(マーケット)としても非常にポテンシャルが高い。
3)複数の経済特区(SEZ)の開発が予定されており、優遇税制への整備が着々と進行中である。
4)識字率90%を超える基礎教育の浸透(2010年:92.5%)
5)イギリスの統治下であったため、ビジネスシーンでは英語での意思疎通が可能である。
6)インド・中国の中間に位置し、地理的に好条件である。
7)天然ガス、鉱物など豊富な天然資源と広大な国土(68万キロ平米)を有し、農作物も豊富である。
8)親日的で勤勉な国民性である、国民の90%が仏教徒で一般的に温和な性格の人が多い。
9)治安が良い。
ミャンマー投資の《リスク》
1)脆弱なインフラが最大の難点で、国の電力事情は絶対的な発電力不足による停電や計画停電が頻繁に起こる。
2)大型港湾の不足(現在のティラワ港でも5万トン以下の船舶が入港可能だが、ダウェイ開発には大きなハードルに直面している。)
3)未整備な国内の道路と交通事情および鉄道の不足。
4)劣悪な国内外の通信網などの通信事情。
5)外貨送金や引き出しの制限など金融制度が未整備。
6)外国企業の運転資金確保の問題(土地などの不動産担保が無いと銀行は融資を行わない。)
7)急速な開放路線に走ったため、法規制の見直しがなされてはいるが、政府の対応のスピードが変化に着いていけていない。
8)優秀な管理職や専門職の確保が非常に難しい。
9)将来の人材採用や労働力流動化の懸念。
*今後ますます急ピッチで改革を進めていくことであろう。
公共事業(道路整備・電気・通信など)への注力はもちろんのこと、外国為替銀行の民間銀行への一部解禁など外国送金業務の緩和などを推し進め、2015年には証券取引所の開設を目指していくことになる。そして、大胆な税制の見直しによる大幅な財政赤字の削減を成し遂げるであろう。
「アジア最後のフロンティア」と称される国であるが、今後の成長にアメリカや日本をはじめ各国が期待している。