ASEANとは、インドネシア・フィリピン・タイ・ベトナム・マレーシア・シンガポール・ブルネイ・ラオス・カンボジア・ミャンマーの10ケ国のことを指します。これらの国々は、まだまだ中国やインドには及びませんが、ある程度に成熟しつつある中国やインドに比べますと、これから大きな伸びしろが見込めることは間違いありません。
ASEAN10ケ国の総人口は、5億9千万人と未だ6億人にも達していませんが、2015年には6億人を超えて、その15年後の2030年には、7億人を超えることが推測されています。
今までは、世界の工場と言えば、中国でしたが、今後は間違いなく、これらのアセアン諸国が世界の工場として、台頭してくることに成ります。ASEANの国々は、今後ますます世界経済に大きな貢献を果たしていくことに成るでしょう。
これまでの「アジア株」の主体は、韓国・台湾・香港・シンガポールの4大株式市場であったことは言うまでもありません。中国本土への外国人の投資は規制されていますので、ここでは除外して、アジア株の投信に於いて一般的な資産配分は、約80%~90%をそれらの4ケ国で占めていました。
一昔前の枠組みから言えば、アジアの新興国とは、韓国・台湾・香港・シンガポールでしたが、それらの国々は近年、大きな成長を遂げて、もはや新興国とは呼べないレベルまで発展して来ています。今と成っては、アジア株というアセットクラスでは、大きなリターンは期待できないでしょう。そこで、従来のアジア株の投信に加えて、ASEAN諸国に投資している株式投信などをお勧めします。
世界分散投資の基本は、ひとつの国や地域に偏ることなく、世界中に幅広く投資をすることと考えます。平均値に満足出来ない人たちは、リスクをおかして超過収益を取りにいきますが、国際分散投資に於いて、リスクとは、特定の国や地域への投資割合を増やすこと(ある意味で広い偏りを創ること)です。
直近1年間の特にASEAN3ケ国(フィリピン・タイ・インドネシア)の株価指数の騰落率は以下の通り、世界の中でも驚くほどの成績を出しています。
●フィリピン=30.9% ●タイ=16.3% ●インドネシア=13.1%
打って変わって、今まで牽引してきたアジアのメジャーな株式指数の騰落率は以下の通りでした。
●韓国=2.6% ●台湾=-7.5% ●香港=-6.9%
●シンガポール=-1.6%
同じアジアの国でも、これだけの数値の差が出ているのが現状です。この優劣は、これから数年間は続くことに成るでしょう。
最後に、成長力の高い新興国は、メリットと同様にリスクも大きいという現実も、決してお忘れなく、肝に銘じておいてください。