騙す側には「鴨ねぎ」の公務員
公務員以外の方向けには別の機会にいろいろな詐欺・騙しのテクニックを紹介させていただきます。公務員の方以外でも退職金の運用などで騙される可能性はありますので、参考になれば幸いです。また、「詐欺」では無くとも、「騙される」ということは「金融商品」の場合は多いので、注意が必要です。「騙されている」ことに最後まで気が付かない場合は意外と多いものです。
この記事を書くに当たり、公務員が騙されやすいという厳密な統計は取っておりません。けれども、もし、私が騙す側であったら、公務員をお金で騙すのは簡単です。また、退職金が間違いなく受け取れるのは現在の日本では公務員であることは間違い無いでしょう。
一例を挙げると、年齢と誕生日が分かれば退職金の分かる時期もわかっています。定年年齢の年度末です。まさに「鴨がねぎをしょっている状態」です。
ここで、例えば、「大手の有名銀行員が、利息が年利6%の退職金専用プラン」を特別に紹介しますといって退職予定者にプランを紹介しようとします。
ここの時点で、既に騙されかかっています。
6%といっても3か月の定期預金や1か月だけの高金利の場合があります。3か月ということは年6%でも3か月後の満期は税引き前で実質1.5%の利息です。それでも、1.5%の利息が付けば、現在の超低金利の利息時代では魅力的です。満期になったとしても元本保障の預金などに預けかえるなら問題ありません。
ここで『元本割れ』の可能性がある金融商品を案内されたら、あなたはどうしますか?
また、最初から退職金プラン専用プランとして50%は投資信託、50%は定期預金という組み合わせもあります。運用はあくまで自己責任ですから、元本割れの可能性があったとしても、必ず元本割れするわけでありません。
卵は一つのかごに盛るな
問題なのは仕組みをよく理解せずに、退職金の大部分を1か所で運用してしまうことです。リスクはどの金融商品もゼロということはありません。小さいか大きいかだけです。銀行の定期預金でも銀行自体の破綻のリスクもあります。
お金に関わる仕事をしている方にとっては「卵は一つのかごに盛るな」というのが常識です。
資産運用会社「MRIインターナショナル」の資金が残っていないということがニュースになりました。実は10年ほど前に私のサイトで「MRIインターナショナル」の紹介をして欲しいというメールが届いたことがありますが、私は断りました。英語で紹介されていたので、よくわからない部分もありましたが、根本的に自分の会社で高配当できるなら、わざわざ他人に売ることを不審と考えなくてはなりません。
「未公開株」の詐欺も同じで他人をわざわざ儲けさせるはないは要注意です。安愚楽牧場の事件も同様です。某有名評論家が推薦していたらしいですが、根本的に、「配当分配型金融商品」は「たこ」が自分の足を食べているのと近いものがあります。
例として10万円預けて、毎月1万円が配当されたとします。1万円が毎月 配当として振り込まれたとしても、元は自分の100万円です。「配当分配型金融商品」の全てが悪い訳ではありませんが、老後の資金を利率が高いといって何千万万円を預けるのはやめましょう。
基本的に「低リスク高リターン」の金融商品はありえません。特に公務員の方に注意していただきたいのは騙されることへの免疫が少ないのと家計簿をつける方が少ないことです。機会がありましたら、さまざまな「騙し」のパターンを紹介させていただきます。