利用される方も多いとは思いますが、牛丼店の吉野家の5月の既存の売上高が、前年同月比15%増となっています。
ご存知の方も多いと思いますが、4月中旬に牛丼の並盛を380円から280円に値下げをしています。その効果で客数が約3割伸びているのです。しかし、客単価は、牛丼並盛に注文が集中したことで、10%以上下がったようです。
380円だったものが280円になることで、これまで吉野家ではなく、他の牛丼チェーンを利用していた人など、これまで吉野家に行っていなかった人が流れていると予測できます。そして、一つ言えることは、デフレの状況がまだまだ続いているといった見方もできます。
今後、吉野家では、客単価を上げるために、「うな丼」(680円)を販売し、客単価を引き上げる戦略を取るようですが、これまでに、吉野家を含めて、飲食店の客単価を上げるために、様々な戦略が取られてきましたが、なかなか客単価を上げることはできていません。単純にデフレの影響だけではないとも言えますが、客単価を引き上げることができていないため、消耗戦が強いられています。
デフレの脱却は、物価が上昇すればデフレが脱却できるといった単純なものではありません。それぞれの懐事情も影響しているからです。物価が上昇すればするほど、さらに安い物を求める傾向も出てくる可能性があります。したがって、デフレの脱却には、物価の上昇とともに、給与水準の上昇もセットで必要になってきます。
今後、吉野家の客単価が上昇するか?他の牛丼チェーンや飲食店の客単価が上昇していくか?で、本当にデフレから脱却できるのか?の一つの指標になるのではないかと思います。