
「うちは大丈夫」は間違い どんな人にも起こる相続問題
相続問題の二大トラブルとは、「相続税の納税負担問題」と「遺産をめぐる争いの問題」です。
よく、こんな言葉が聞かれます。「うちは、たいした資産がないから大丈夫ですよ」と。
この言葉は、おもに「相続税の納税負担問題」をさして発せられているものと思われます。しかし、実は、もうひとつの「遺産をめぐる争いの問題」のほうが大きいのです。
下記をごらんください。
注)司法統計年報より
このように、遺産分割事件の新受件数(審判+調停)は、年々上昇傾向にあります。平成22年には、約13,600件もありますが、これがすべて資産家に起こっているわけではなく、相続財産は、自宅の土地・建物とほどほどの預貯金のみという方にも多く起こっているのです。
まずは、認識を改めてください!!“ 「 相続 」は、どんな人にも関係してくる ”ということ。そして、相続問題を発生させないために、生前に対策を打っておくことは、“ 被相続人の義務 ”であるということに。
「うちの家族は仲がいいから絶対にモメないですよ」といってみえた方が、ふたを開けてみたら、相続問題が発生。調停や審判を終えられたときにおっしゃられるのが、「兄弟姉妹の連れ合い(義理の兄弟姉妹など)が、こんなに口を出してくるとは思わなかった」「こんなに揉めるのだったら、遺言書でも書いてもらっとけば良かった」などです。
もっとも残念なことは、相続問題をきっかけに親族間に確執が生まれ、相続問題が片付いたあとも修復できない溝となってしまい、疎遠になってしまうことです。被相続人の方からしても、そのことが一番悔やまれるのではないでしょうか。
そうならないために、2大相続問題ごとに有効な相続対策を生前におこなっておく必要があります。(相続が起きてからでは、手遅れです)
生前に行っておくべき相続対策
おもな相続対策として、下記があります。
・遺言書の作成
・生命保険の活用
・土地の有効活用
・信託制度などの活用
どの相続対策がいいのかは、状況や内容次第で、複数組み合わせておこなうこともしばしばです。折しも、平成25年の税制改正で、相続税が増税(平成27年1月1日以降発生の相続から適用)となったこともあり、関心は非常に高まっております。
“ 相続 ”が、“ 争族 ”とならないように早めの対策を・・・。