今や、公的年金制度や多くの企業年金が崩壊の危機に瀕しているのは、周知の事実です。このままでは、果たして、いつから?いくら?受け取れるのか不安でしょうがありません。
そこで、にわかに脚光を浴びているのが「自分年金」です。これは、政府も後押しをしてくれていて、数々の税金の優遇を受けられます。401Kと呼ばれている制度です。
中小企業にも心強い味方になる「選択制確定拠出年金」
401Kというと、アメリカ発の年金制度ですが、日本に入って来た時に、大幅に修正が加えられましたので、アメリカの401Kと日本の401Kは全く異なるものになってしまいました。大きな違いは誰がお金を出すのかです。アメリカは個人、日本は企業の拠出が中心です。
それともう一つ、その頃投資信託が流行り始め、銀行でも取扱いを開始いたしましたので、「401K=投資信託→ハイリスクハイリターン」のような思い込みができてしまいました。しかも、企業の拠出が原則なので、制度を採用できる企業は大企業が中心になってしまいました。
今回ご紹介する「自分年金」は、よりアメリカ型に近い401K、『選択制確定拠出年金』です。これは、大企業はもとより、中小企業には心強い味方となります。
選択制確定拠出年金を利用した場合のシュミレーション
ではまず、大原則から!
我々が貯蓄しようと思った時に、ぜひ、味方に付けておきたい3要素があります。それは、(1)時間 (2)金利 (3)税金 の3つです。この『選択制確定拠出年金』は、この3要素を味方にできる、最強の貯蓄方法なのです。では、実例をご覧下さい。
私のやっている『選択制確定拠出年金』を例にしてご紹介します。
月給35万円に対して、
健康保険料 18,216円
介護保険料 2,790円(25等級)
厚生年金保険料 30,179円(21等級)
雇用保険料 1,750円
所得税 約7,517円(月割にすると)
住民税 約15,033円(月割にすると)
合計で、75,485円が所得から失われるので、実質の手取額は、274,515円です。ここから3万円を貯金すると、残金は、244,515円となります。
では、『選択制確定拠出年金』を利用することにしてみましょう。そうすると・・・・
まず、給与を受け取る前に、会社の方で3万円を貯金してしまいますので、実際には月給が32万円になってしまいます。減収です・・・トホホ。
ところが減収されると、
介護保険料 2,480円(23等級)
厚生年金保険料 26,826円(19等級)
雇用保険料 1,600円
所得税 約6,608円(月割にすると)
住民税 約13,217円(月割にすると)
合計で、66,923円が所得から失われ、残金は、253,077円となります。
あれれ? 同じ3万円の貯金ですが、『選択制確定拠出年金』を利用すると、普通に貯金するより、8,562円得することになりました。減収になったはずなのにです。まさに、税金を味方にした結果です。
こんなにお得になるのですから、あえてリスク商品を選ばなくても、元本確定商品でも充分です。これを金利と考えると、28.5%に相当するんです。
もちろん、もっと増やしたい方は、投資信託型の商品にチャレンジしてください。ただし、自分の年金ですので、冒険はほどほどにしてくださいね。
以上
(文中の数字は、日本PAS協会「年金くん」のシミュレーションを使用いたしました。どなたでもご利用できますので、「年金くん」で検索してみてください。)