8月9日に財務省が発表した「国の借金」は、過去最大の1008兆円6281億円と成り、とうとう1000兆円の大台に乗せました。
国の借金は、国債、政府系を含む金融機関からの借入金、政府短期証券の残高の合計で、財務省は1996年から現在の形式で発表しています。当時の借金は、334兆円と現在の3分の1程度で、1995年度の国内総生産(名目GDP)の66%の水準に留まっていました。その後、本年(2013年6月末)の「国の借金」は、2012年度の名目GDPの2倍を超えました。
国が発行する国債が今後も増え続けると、「こんなにも国債を発行して大丈夫?買うのを止めておこうか」ということに成り、国債は売れなくなるかも知れません。もし、国債が売れなくなると、一度買った国債を更に売り買いしている市場(発行済み国債の流通市場)で、国債の値段がどんどん下がってきます。そうなると逆に金利が上昇してくるのです。
バブル景気の頃に預金の金利は一時7%を超えていました。その当時、国債の金利も同じくらい上昇しています。本年4月の時点で国債の長期金利は、約0.6%ですが、万が一これが、6%に上がったとしたらどうなるのでしょうか。
仮に金利が6%に成れば、国の借金1000兆円に対して、1年間の利息の支払いが60兆円です。2013年度の政府の予算が92兆円ですので、もしもその内の60兆円が利払い費用ということになれば、とても払えるとは思えません。 新たに国債を発行しても、高い金利を付加しないと誰も買ってはくれません。
少し以前のユーロ危機を招いた国、ギリシャで起きたことですが、ギリシャ国債の長期金利は30%を超えたこともありました。 さすがに、日本はそこまでは成らないと思いますが、過去に例を見ない非常に高い金利に成る可能性は充分に考えられます。
先日も、ロシアのテレビ局(ロシア・トゥデイ)で、「日本は世界一重い借金(負担)を背負っている国です。この借金の額は日本の経済の見通しを暗くしています」と、大きく報じられました。
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凄まじい勢いで借金が膨らむ国家財政にとってのリスク要因は、利払いの負担であることは周知の事実です。金利が上昇すればその分、利払いの負担だけで財政を圧迫するため、金利上昇の局面に入るまでに早急に財政再建を進める必要性があります。
まさに、日本政府の最大公約である「景気の回復」に於いては、今が正念場であり、待った無しの状況です。
今までのように、日本だけは大丈夫。政府が何とかする。会社が何とかしてくれる。周りが手を差し伸べてくれる。誰かが助けてくれる。そういう時代が終わりを告げようとしています。
自分のことは自分で考える。自分の家族は自分が護る。 「寄らば大樹の陰」という日本人のスタイルが大きな変化を求められている、そういう時代に突入したのです。