お金は生活に絶対必要なので、「ないと不安」になります。また、今だけではなく「将来発生する支出」を考えたときも不安になります。ですのでほとんどの人にとって、「お金とは必要不可欠のもの」、「たくさんあるに越したことはない」存在だと思います。
「不安」というのは、子どもがお化けを恐がるように(お化けは大人も恐がる?)、「正体がよくわからない」から不安になるのです。でも例えば火の玉の正体が人魂ではなく「メタンガスか何かに引火したもの」とわかれば、不安は減ります。
同じように、将来の収支がわかれば、お金に関する不安はぐっと少なくなります。これをできるようにするのが「キャッシュフロー表」です。
「キャッシュフロー」は、お金の出入りのことですが、会社の財務に限った話ではなく、個人の経済生活でも同じようにあてはめて考えることができます。
個人向けのファイナンシャル・プランニングにおいては、毎年のお金の出入りを数十年後まで時系列で表にします。自分や家族がこの世からいなくなるまで、を考えますので「死」を意識したものでもあります。ですので人生全体を見直して、後悔を減らすためにも有意義な行為であります。
家計簿などをきちんとつけていない限り、ほとんどの人は「だいたいの記憶」「財布の中身の残量」で金銭管理をしていると思います。「感覚的なもの、直感的なもの」は大事ですが、一方で数値化して「見える」ようにすることも大事です。
・ローンを組んで家を買いたいが、毎月の支払いが心配
・実家を出て一人暮らしを始めたいが、毎月家賃を支払って生活できるのか心配
・早期退職して違った人生を歩みたいが、その後の生活費が心配
・ついついローンを組んでしまうので、その返済に新たにローンを組むようになってしまったが今後どうすればいいのか
・退職金や年金など不透明なものが多い中、将来にわたって経済的に不安のない生活を送りたい
上記のような心配や悩みは、キャッシュフローを作成して「見える化」することによって、ほぼ解決することができるのです(できました)。「そんなことで?」と思われるかもしれませんが、効果はかなりあります。「不安」とはそういうものです。
一方で、「会社が倒産しないか心配」「今後正社員として働くことができるのか心配」などは、別次元の不安なのでここでは分けて考えることが必要です。
お金の不安を減らすために、まずは試しに自分でエクセルなどを使って作成してみてください。webで探せばテンプレートをダウンロードすることもできます。まずは行動することが大事です。(執筆者:日比野 岳)