「金融リテラシー」に必要な計算力(お金の時間価値計算)は、私達日本人には馴染みがなく不足している点です。これを強調したかったため、今まで私は割引現在価値の話を中心にやってきました。
目次
金融リテラシー向上に必要なのは「統計力」
ここで、もう少し金融経済に必要なものを考えてみましょう。私が第2にあげたいのは「統計力」(統計分析力)です。20世紀に発達した科学はこの分野の発展に大きく依存しているといわれています。第3にあげたい「会計力」(アカウンティング)はずっと前から存在しているので私達にはなじみがあるので3番目としました。最後に基礎力として「会話力」(英語)を考えます。
以上、「金融リテラシー」に必要なものを挙げさせていただきました。これらのものは、すぐに習得できるものではないのですが、日々一歩一歩着実に努力すれば、皆が獲得できる力になると私は思いいます。
「統計力」をつけるために必要なもの
今回は、「統計力」について少し話をしたいと思います。一言でいうとデータの読解力を高めることだと思います。
最近、「ビックデータの時代」という言葉がはやっていますが、私達に欠くことのできないグラフ、表などの経済データは吉本佳生先生に言わせると読み続ける力が大事で、慣れと習慣が大切だとのことです。
統計学は私たちは得てして難しいものだと敬遠しがちですがそうではありません。特別な能力は必要ないのです。知能よりもずっと必要なことは、体力と感情です。毎日こつこつ努力してデータを読み続ける、自分で調べて読み続けるための体力がずっと重要なのです。
この話を読んだとき、ふと、もうひとつの連想が頭に浮かんだのでした。私はオプション取引をやっていますが、その先生で増田丞美さんが同じ事をいってたのを思い浮かべました。オプション取引もとにかく、やってみて慣れていくものであり、頭の中で勝負するものではなく、知能より体力と感情なのでした。
ちょっと横道にそれましたが、「金融リテラシー」 に必要なものとはそのような努力の継続があってはじめて養われるものだと思うのです。
「統計検定」にも期待
因みに、2011年から「統計検定」が実施されています。いわゆる簿記検定とおなじものだと思えばよいようです。4級、3級が中学、高校程度のもので2級は大学だそうです。今後日本の社会でも認知されてきて普通に当たり前に検定をうけるようになることを期待します。
最後にくどいようですがもう一回言わせていただきますが、「金融リテラシー」は知識、知能がそれ程重要ではないのです。努力して読み続ける意志がありさえすれば、みんなが養われる能力であり、生活力を高めるものなのだと私は思います。(執筆者:岩永 充)