生活保護費の不正受給者を減らす取り組みとして「改正生活保護法」と家計が苦しい方を支援する「生活困窮者自立支援法」が12月6日の衆議院本会議で可決・成立しました。生活保護法については1950年以来の改正で、本格的な改正となりました。
働かないで生活保護を受給している「不正受給者」に対して罰則を強化したことは評価したいです。生活保護の恩恵が受けられず餓死してしまう『いたましい出来事』もあるなか、違法に受給しているものには徹底的に根絶してほしいと私は願います。
生活保護の改正で私たちの生活はどうなるの?
病気・失業・介護などの影響で生活の基盤を失った方にとって、最後の砦となるのが生活保護制度。今回の法案が貧困者を救うことになるかは、来年の7月施行を待たなければわかりませが、罰則強化と専用の相談窓口が設置されることで、申請の門前払い体質が改善できそうです。
雇用問題のワーキングプアと長期高齢化による老後資金ショート問題がクローズアップされる中、生活保護者の支援を受けている者は全国で215万人。「国民の60人に1人が生活保護者」となっており、急激なインフレが起きると益々増加してくることが予想されます。
社会保障費も107兆円を超えに加え、生活保護費も3兆7000億と10年前に比べて1.5倍の水準で移行しており、貧富の差も拡大していくことでしよう。そんな中、国としては生活保護に頼らない生活として両法案を可決したのです。
不正受給や門前払いへの具体策
・収入があると保護費が減額していた制度を改めて、収入の一部は積立できるようにした。
・福祉事務所が親族に問い合わせできる。など扶養保護義務を強化
・不正申請をなくすため「収入や資産状況が確認できる書類」の提出義務を強化
・門前払いをなくすために口頭で申告した後でも申請書を提出を可能とした。
・自立支援法2015年4月施行で生活困窮者向けの窓口設置が義務される。
今年生活保護費の削減などで問題となっているが、公平な制度が維持できるように期待したいものである。(執筆者:村井 一則)