ここ最近、人生の最後をどのように迎えるかを考えるための活動として「終活」がテレビ・新聞・雑誌等で取り上げられております。
亡くなった後のことを誰かに託すより、自分で葬儀のあり方を考えられるようになったことは、「自分らしい最後を迎えたい方」にとっては喜ばしいことだと思います。今回は、FPとして『万が一の時に備えて葬儀ローン』があることをお伝えしたいと思います。
目次
突然の不幸! お金が準備できない時はどうすれば良い?
いつ訪れるか判らない不幸に対して、お金を準備している人はどのくらいでしょうか? 子世代が50代以上の方であれば、親の退職金の残りや・自らの貯蓄から捻出できる方もおりますが、20代、30代で「ご両親・お子さんの死に…」という場合は資金を用意することが困難な場合もあります。
貯える資金力のない20代・30代の子供世代が「親の葬儀のこと」を考えることはなく、葬儀資金を用意している人はいないでしょう。おそらく、急な資金を要するように言われた時、高金利のキャシングに頼ってしまう方が意外と多いのではないかと思うのです。万が一の場合の突然の出来事に備えて、葬儀費用を用意する方法を知っておくことも大切なのです。
葬儀費用はどのくらいかかるか?
葬儀費用は地域によっても異なるが、家族葬形式の50万円程度 ~ 一般葬儀200万円まであり、その内訳は葬儀社によって様々である。実際に負担する費用は、お香典によって軽減できるが、10万~100万単位も喪主が負担するケースが多いことから、負担が多くなりそうなときはローンの活用も視野に入れておくべきだろう。
一般的に葬祭費用は、低価格で掲示してくるが安いプランを選んでも、「棺のランクを上げると見栄えが良くなりますよ」と進めてくるのが一般的です。葬儀の費用は、予算の8割程度で葬儀社に提示して、寺院費用を確保しておきましょう。
ご遺族にとって立派な葬儀を希望される方もおりますが、戒名・お布施などの寺院費用の方が高額になる場合もありますので、予算オーバーにならないよう考えることも必要なのです。ローンを利用する時は、全体総額の費用を抑えて、計画的に利用するようにしてください。
葬儀ローンはどこでも使えるの?
葬儀費用は、ローン会社、信販会社・銀行・労金などが融資をしておりますが、葬儀社と提携している信販系のローンがあります。葬儀社と提携されているのは、現在2社でオリコとJACCSだけです。
その中でも、全日本葬祭業協同組合連合会と包括提携しているJACCSが取扱量としては優位のようです。それは、葬儀ローンの取扱い拡大へ向け、ジャックスが全葬連に加盟する葬儀社と個別契約を交わす際の提携を進めており、葬儀社が窓口であることから手続きは簡単になっています。
提携ローンは、金利が7.2%~10%とやや高めではあるが、借入金額が少ない、生命保険金が受け取れるなどで、一時的なつなぎ融資で早期返済が可能であれば、数千円の金利負担で済むのでそれほど気にしないでも大丈夫だといえます。
但し、高額融資や返済期間は長期になる場合になる場合は、ろうきんなどの金融機関(金利4.105%~)の利用を検討してください。
提携葬儀ローンと金融機関のローンと比較
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約3%金利だけで、なんと121,984円の差が生じるのです。長期返済になると家計の負担も少なくありません。少しでも節約できるよう借入先を選ぶようにしましょう。
「キャシング」利用も1つの方法
突然の死亡で起こるトラブルとして、相続が発生した場合の『預金の払い戻し』ができなくなる場合があります。金融機関は死亡の事実を知ったら直ちに、相続預金(亡くなった本人の預金)の払い戻しをストップするように義務付けられており、相続人全員の合意がない限り相続預金は下ろせなくなるのです。
葬儀費用は、即日現金で清算されることから手持ちの資金が足りない場合は、『キャシング』で清算することも、一つの方法です。クレジットカードのキャッシングは金利が高いため、一般的に怖いイメージがありますが、香典代金の精算分を考慮すれば、キャッシングの利用の引き下げも可能ですので、借り入れリスクは限定的であると考えられます。
葬儀ローンについてお伝えいたしましたが、なるべく使わないことに越したことは言うまでもないことです。