FP相談をお聞きしていると、半数近くの方々が加入している生命保険の確認が有ります。そこで大半の方が、生命保険に加入している理由が不明確であったり、みんなが入っているからとか、セールスの方に勧められたが大半でしょうか。「この保険は○○で□□なライフプランに必要だから」などと仰る方は今まででは皆無です。
生命保険はそれぞれの個人を対象に加入します。それも、生活をする上での経済的損失を保険金でカバーするために必要なものです。決して、同僚が入っているからなどの理由で加入するものでは有りません。では、どの様な理由がベストなのでしょうか。
例えば、専業主婦には万が一があっても経済的には一時的に大きなお金が必要なことは少ないはずです。つまり、病気等で入院した場合などは、死亡の時に大きな保険金(何千万)が出る生命保険より、入院したことに対する入院費などの経済的リスクをカバーする保険の医療保険の方がベストです。
但し、貯蓄が何千万単位も有れば医療保険は必要ないかも知れません。万が一の時に貯蓄でカバー出来ない経済リスクに色々な保険が役立ちます。
万が一は、誰も一生のうち一度だけ訪れます。ただ、何時来るか分からないので、経済リスクを考慮して保険や貯蓄でリスクヘッジするのです。その経済リスクを細分化して、考えて見ましょう。
目次
1. 死亡するリスク
誰もどんなことを行っても防ぐことが出来ません。そのリスクは予想できませんので、一般的に残された家族が経済的に困らないリスクです。
2. 元気で長生きするリスク
平均寿命は男女とも年を重ねるごとに延びてきました。長生きも元気であればハッピーな人生を過ごせますが、経済的な裏付けがなければ楽しく活動することが出来ません。
3. 元気でなく長生きするリスク
病弱で入院や通院、更に介護や痴呆なども経済的な裏付けがかなり必要となります。
4. 高学歴的リスク
親が万が一でも、元気でも、例え国公立大学でも入学金や授業料は以前と比べ、限りなく私立大学に近づきました。親元からの通学でも教育費は家計にかなり負担になります。県外であれば、学費プラス居住費や食費などの生活費が更にプラスされます。また、私立大学であれば…奨学金を利用したとしても大変な家計管理になります。
5. 相続税リスク
自然な死亡はコントロールが出来ません。従って相続は何時発生するか分かりません。相続が発生すると10ヶ月後には相続税を納めねばなりません。特に、2015年から相続税の評価額は4割も減額されます。基礎控除が3千万円に相続人にお一人当たり600万円となりますので、相続税が発生する人がかなり多くなるようです。
万が一のために生命保険に加入するわけですから、合理的な必要保障額を算出して、貯蓄と保険のバランスを考える事が重要ですね。保険はあくまでも何かの事故が発生して支払要件になって、初めて現金という経済に活動するときに利用できる対価を得ることが出来ます。そう言う意味からすると保険は万能では有りません。
ライフプランも十人いれば十通りのプランが有るでしょうから、保険の形や色も十通り有るかも知れませんが、保険料を支払える範囲内で決めると長く続きます。(執筆者:古川 修一)