企業の資金需要が乏しく、過熱気味の住宅ローン市場ですが、低金利が継続し、銀行側も住宅ローンはデフォルトの確率が低い商品なため、今後も様々な住宅ローン商品が登場する可能性があります。
その中でもいずれは登場するだろうと言われているのが、欧米で普及しているノンリコース型の住宅ローンです。日本で普及している住宅ローンは正確にはリコース型の住宅ローンと言います。
リコース型の住宅ローンの場合、例えば3000万円の住宅ローンを組んだところ、事情がありデフォルトで競売となり、その住宅が2000万円でしか売れない場合、残りの1000万円は無担保の債務として債務者(借入者)が払い続けなければなりません。
しかし、これがノンリコース型の住宅ローンであれば、債務者の責任はあくまで、その住宅部分に限定されますので、上記の事例に当てはめると1000万円は銀行側の損失として処理され、債務者はそれ以上に追究されることはありません。
ただし、このノンリコース型の住宅ローンとした場合、銀行側は審査の際に、より厳格に担保価値を評価するため、当初は一部の物件に限られる可能性もあります。このように様々な住宅ローン商品が登場した場合、どの商品を選択するかは非常に重要になってきます。そんなときには、専門家の助言にも耳を傾けていただけたら幸いです。(執筆者:沼田 順)