こんにちは! さて、先般、日本にとって、とても重要な“過去最大と過去最少”の数値が発表されました。
「国の借金」が過去最大
まずは、財務省によれば、2013年末時点のいわゆる「国の借金」が、“過去最大”の1017兆9459億円にまで膨らんだと発表がありました。
内訳は、国債が849兆円、借入金が55兆円、政府短期証券が114兆円などとなっています。昨年9月末から3カ月で、6兆7673億円も増加しました。そして、国民一人当たりの借金もついに、約800万円にまでなってしまいました。
さらに、財務省の試算によれば、2014年度末の借金残高は1143兆円と、今年度末に比べ100兆円以上の増加が見込まれています。まさに、“雪だるま”状態といえるでしょう。
「経常収支の黒字」が過去最少
一方、同じく財務省の2013年の国際収支速報によれば、日本の経常収支は、3兆3061億円の黒字ではありますが、前年比31.5%もの減少となりました。これは、比較可能な1985年以降、“過去最少”の黒字額となっています。
こちらは、言うまでもなく、原発停止の影響からエネルギー輸入の大幅増加とともに、昨年からの円安傾向によって、一気に貿易赤字が膨らんだのが最大要因です。輸出から輸入を引いた貿易収支は10兆6399億円の赤字で、3年連続となっています。
一方、経常収支の中で唯一黒字の所得収支は16兆5318億円の黒字で、こちらも3年連続で増加しています。ただし、所得収支の黒字を上回る勢いで、貿易赤字が拡大しているため、2013年12月単月での経常収支は、6386億円の赤字となっています。
さらに、今年に入り、1月の貿易統計速報によれば、貿易収支が、何と単月で“2兆7899億円”もの赤字となりました。今まで過去最高だった昨年1月の1兆6335億円を、1兆円以上上回る大幅な赤字となっています。これで貿易赤字は、19か月連続です。このままの傾向が変わらなければ、2014年はいよいよ年間を通して、経常収支が赤字に転落する可能性も出てきました。
国に必要な「お金」が日本国内だけで賄えなくなる状況が迫ってくる中、国の借金だけは膨張を続けています。「最悪なシナリオ」は想定したくはありませんが、“過去最大と過去最少”がこのまま続くようだと、現実視しなければならない日も近いかもしれませんね。(執筆者:荒川 雄一)