先日は売買に関して消費税対策を書きましたが、賃貸についてはまた異なる対応が必要となりそうです。事務所や店舗などの非居住用物件については消費税が課税されているため増税の影響を直接受けます。ただし住宅の貸し付けに関してはもともと消費税は非課税であるので増税の影響は受けないはずです。
しかしながら、いわゆる家賃以外に別契約ではあっても住宅コストとして駐車場設備や家具・家電設備またはプールやアスレチックの使用料やハウスキーピング料などを支払っている場合には、これらについての増税分を支払わなければなりません。
近年は見かけ上、”家賃”という名目では安く据え置いて、様々な形で使用料などの名目で支払っている事例を見かけるので住宅は元々非課税だから変わらないと思っていると、その割合が多い場合には注意が必要です。
そこで今後の対策としては駐車場などの各種施設やサービスが住人のみの利用が前提となっているなど、住宅に対する従属性がより強固な場合には非課税とされることを利用し、バラバラになっている契約を一括にして「賃料に含む」という形にするのはいかがでしょうか?
賃貸事業には維持管理の外部委託をするなど”仕入れ”の部分があり、これらのコストが上昇することで家賃そのものが改定することも考えられますが、このような契約内容の見直しにより住宅コストが消費税の改定のたびに変更になるのは避けることができるはずです。
もちろんこんな話を持ちかけるためには大家さんとの信頼関係があることが大前提ではありますが、このように賃貸においては契約目的物が住宅か否か、そして住宅に含まれる設備がなにかということで消費税の非課区分が決まることを意識して、契約内容の再確認をされることが一つの対策と言えるのかもしれません。(執筆者:田井 能久)