住宅ローンで収入合算という制度があります。これは例えば、ご主人と奥様が共働きの場合にお互いの収入を合算して、その収入で借入金額を判断する制度です。
しかし、私が公庫勤務時代に一番債務不履行が多かったのもこの形態です。理由は簡単です。収入合算して希望のマイホームを手に入れたものの、その後奥様が妊娠等されるなどして、会社を退職してしまい、結局はご主人の収入だけでは、返済が追いつかないからです。
公庫の場合は全期間固定金利ですから、変動金利のように急に返済額が上がることはありません。結局は何とかなるだろうという、無理な借り入れがこのような事態を招いてしまうのです。
金融機関側にも、問題があるのではないかというご意見もあろうかと思いますが、子供が生まれても仕事は継続すると言われてしまえば、条件に当てはまっている以上、融資しないわけにもいきません。
従って、この制度を利用する場合は、最後まで共働きで働き続けるという、強い意志が申込者には求められます。この記事を読んで、将来の生活設計について改めて考える機会を持っていただけると、筆者としても嬉しい限りです。