前々回に国民年金保険料を支払うのが困難になった場合の対策について、ご紹介しました。未納で放置するのではなく、免除、猶予制度を活用する事をお勧めしたのですが、今回は保険料免除を受けた場合の年金額についてご案内します。
まず、老齢基礎年金の年金額を計算するときに、保険料免除・納付猶予の承認を受けた期間がある場合は、保険料を全額納付した場合と比べて下記のように年金額が低額になります。しかし、たとえ保険料の全額免除を受けた場合でも、基礎年金に国庫負担分がある為に給付額の1/2を受給する事が出来ます。(平成21年3月までは1/3でしたので、免除された期間によって年金に反映する金額が相違します)
免除を受けた場合の年金額
保険料を全額納付した場合の年金額の2分の1支給。(平成21年3月分までは3分の1)
2.4分の3免除(納めた保険料額 3,810円:平成26年度)
保険料を全額納付した場合の年金額の5/8支給。(平成21年3月分までは1/2)
3.半額免除(納めた保険料額 7,630円:平成26年度)
保険料を全額納付した場合の年金額の6/8支給。(平成21年3月分までは2/3)
4.4分の1免除(納めた保険料額11,440円:平成26年度)
保険料を全額納付した場合の年金額の7/8支給。(平成21年3月分までは5/6)
5.若年者納付猶予制度
納付猶予の期間は、受給資格期間には参入されますが、老齢基礎年金の年金額には反映されません。しかし、障害基礎年金や遺族基礎年金の保険料納付要件では、保険料を納付したものとしてカウントされます。
上記のように年金額は減額されますが、保険料免除や納付猶予になった期間でも、年金の受給資格期間(25年間)には算入されるのです。私がこの免除、猶予申請をお勧めする最大の理由です。まさに公的年金ならではの制度と思いませんか?
免除等申請できる期間が拡大
最後にホットで、お得な情報をお知らせしておきます。
実は平成26年4月からの国民年金保険料の免除等申請できる期間が拡大されたのです。これまでは、遡って免除申請ができる期間は、申請月直前の7月(学生納付特例は4月)まででした。これが平成26年4月からは、保険料の納付期限から2年を経過していない期間(申請時点から2年1ヵ月前までの期間)について、遡って免除等を申請出来るようになったのです。(学生納付特例も同様です)未納期間に心当たりがある場合は、追納制度や後納制度と併せて免除申請の遡及についても是非確認をしてみて下さいね。(執筆者:松山 靖明)