2014年、酷暑のまっただ中ですが、金融相場も世界各国が超低金利にある中、どのような舵取りをしてよいか、周りを見回すばかりで「異常なまでの低ボラティリティ」と言われています。
ヘッジファンドも、相場が大きく動けばこそ大きく収益を上げることができる反面、今のような、値動きが少ない相場環境では非常に難しいためか、収益が上がっていないと言われています。
ウクライナやイランなどの地政学リスクが浮上したり、或いはポルトガルの財政問題などで一時的に相場は動きますが、トレンド転換には至っていません。
米FRBの金利に対する操縦がどのようになるか、ベクトルの向きは見えているものの、いつ、どのぐらいの傾きで変換するか見極め切れていない、かといって、こと日本株にすればGPIFによる買いが入ることが期待されるため下値は限定的、ということです。
真っ先に思いつくのが、相場が動かないことにベットした戦略をとる(具体的にはショートストラドル、カバードコールなど)ことですが、実際、個人投資家のどれほどが機動的にそのような方法をとれるでしょうか。
よりシンプルで、より確実な方法は徹底的な分散投資の一言につきます。資産クラス、通貨それぞれの即面から「相場がどっちに転んでも、キズは浅くある一定の収益を期待する。なおかつ、相場に貼り付いて四六時中モニターしたり、本業がおろそかになるほどオロオロしなくてすむ」
金融資産は実物資産ではありませんので、昨日まで、1万円だったものが1週間後には5000円まで急落することは十分ありますが、すべての資産クラス、すべての通貨が一斉に価値を半減させるというのは、よほどのことがない限り、起こりえないことです。どこかが下がれば、その逃避資金は別のところへ流れていると考えるのが自然です。
そんな動きに翻弄されず、リスクを抑えてある程度の収益を確保する、それには「分散投資」をおいて他にありません。
どのアセットクラス、どの通貨にどのくらいの配分に振り分けるのか、その割合のスイッチングはその都度余裕があれば見なおせばいいのです。(執筆者:柴沼 直美)