目次
解説
限後申告の場合、純損失の繰越控除については、適用を受ける事ができますが、65 万円の青色申告特別控除の適用は受ける事ができません。(10 万円は受けられます)
1. 純損失の繰越控除
従来は、損失が生じた年分の確定申告書を期限内に提出していることが要件とされていましたが、平成23 年分以後の所得税については確定申告書を提出し、かつ、その後において連続して確定申告書を提出している場合について適用を受ける事ができるようになりました。
2. 青色申告特別控除
1) 65 万円の青色申告特別控除
この65 万円の控除が受けられるための要件は、次のようになっています。
(1) 動産所得または事業所得を生ずべき事業を営んでいること。
(2) 正規の簿記の原則(一般的には複式簿記)により記帳している事
(3) 定申告書に貸借対照表及び損益計算書を添付し、法定申告期限内に提出すること
2) 10 万円の青色申告特別控除
この10 万円の控除は、上記1)の要件に該当しない青色申告者が受けられます。
つまり、申告書の提出が期限後となるため、期限内申告が要件となっている65 万円の特別控除は受けられませんが、10 万円の特別控除は受けられるわけです。
要するに…
個人で事業を営んでいる人でその事業が赤字の場合、どうせ税額が発生しないということで確定申告をしないケースがあります。しかし、翌年その事業が好調で黒字になった場合、あわてて前年の確定申告をしようと思ったときに、青色申告の各種優遇は受けられるのか気になるところです。
結論として、前年以前の損失の繰越控除も受けられるし、65 万円は無理ですが、10 万円の繰越控除は受けられます。確定申告をしていないことに気が付いたら、期限後でも構わないので、確定申告をするようにしましょう。(執筆者:小嶋 大志)