7月まで4回連続で利上げしていたニュージーランドですが、11日の金融政策決定会合では金利を据え置きました。政策金利据え置きとあわせて、ニュージーランド準備銀行は、今後の利上げについて2015年初め以降になることを示唆しました。 (※ニュージーランド準備銀行によるプレスリリースへのリンクは最下部”外部参照”に掲載)
「社債投資まとめ!」がカバーしているニュージーランドドル債券にも影響がありますので、ポイントをチェックしておきます。
ニュージーランド中央銀行発表のポイント
ニュージーランド中央銀行による今回の発表のポイントは以下の3点です。
(2) 追加引き締めの前にしばらく様子を見る(2015年1~3月期までは利上げしない)
(3) NZドルは高すぎる
ニュージーランドは、2011年に起きた地震からの復興需要で建設ブームに沸く一方で、インフレが加速していました。そのためニュージーランド中央銀行は、今年3月から7月にかけて4回の利上げを行ってきました。 ニュージーランドドル中央銀行によるこうした利上げによって、インフレ率の上昇は抑えられています。一方で、ニュージーランドドルは対ドルで高騰し、1985年の変動相場制移行後の最高値に迫る水準まで上昇しています。
ニュージーランド中央銀行としては、利上げの目的であったインフレ抑制に一定の効果が見える中で、これ以上ニュージーランドドル高が進行しないように、いったん利上げをストップし様子を見ようとしているのが現状です。利上げ再開の時期についてのマーケットの見方は、少し前までは今年12月ごろになるのではないかといった見方もありましたが、今回の中央銀行の声明によると利上げタイミングは少し遅れることになりそうです。
ニュージーランドドル建て個人向け社債に対する影響は?
ニュージーランドドル建て個人向け社債の金利水準については、来年春頃まではニュージーランドの政策金利が維持される見通しが強まりましたので、当面は個人向け社債の利率に大きな変化はなさそうです。
ニュージーランドドルについては、利上げ観測の後退によって足元ではややニュージーランド安になっています。ニュージーランド準備銀行は引き続き通貨高に対して強く牽制するメッセージを出していますので、これ以上の上昇余地は限られているように思えます。ただし、来年以降さらなる利上げも見込まれることは下支えになるでしょうから、一方的に下落することは考えにくそうです。
米国やイギリスの金融緩和縮小、EUの追加金融緩和などの影響も考慮する必要がありますが、ニュージーランドドルの為替相場については、当面は比較的レンジ相場のような形になっていくかもしれません。(提供:社債投資まとめ!)
【外部参照】
OCR unchanged at 3.5 percent (Reserve Bank of New Zealand; 11 September 2014)