最近、「大手銀行の住宅ローン金利が過去最低」などと話題になりましたが、私の地元の金融機関も、かなり低めの金利を提供していますよ。借り換えもOKというところもあるので、金利が高めの時に借りた方のなかには、この機会に見直そうと動いている方もいらっしゃいます。
また、住宅金融支援機構が民間金融機関と提携して提供している「フラット35」も、今年7月から繰上げ返済がしやすくなりました。これまでは100万円以上でないと受け付けていなかったのが、インターネット経由で10万円以上から返済できるようになったのです。
借り換えも繰り上げ返済も、利息の支払い負担が軽減されるわけですから、検討してみると良いかもしれませんね。
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借り換え&繰り上げ以外の「利息を軽減する方法」
しかし、利息を軽減する方法は何もそれだけではありません。毎月の返済額を増やすだけでも、返済期間の短縮・支払い利息の軽減と、大きな効果が得られることもあるのです。
Aさんの場合でみてみましょう。
Aさんは、私立幼稚園に通っていたお子さんが公立の小学校に上がり、少し家計に余裕が出てきたように感じていました。それもそのはず。これまで、保育料とバス代で毎月22,000円も支払っていたのが、給食費やPTA会費などで6,000円程度と大幅に減ったからです。手元にお金が残ると、つい使ってしまいたくもなるものですが、そこは賢いAさん。浮いたお金の一部を住宅ローン返済に充てることにしたのです。
余裕のできた約16,000円の中から4,000~5,000円程度を返済に充てます。全額を返済にまわさなかったのは、先のことも考えた結果。子どもが高学年にもなれば、塾に行くようになったり、習い事も増えるかもしれませんね。その時に支払う余裕がなくて、新たにローンを組むようなことがあれば本末転倒です。将来を見据えて残りはしっかり貯めておこうと決めました。
毎月の返済額を少しアップすることで、どれだけの効果が期待できるでしょう。
Aさんの住宅ローンの条件では、約2年8か月。利息も約78万円減らすことができそうです。借り換えの場合は諸費用があらためてかかるので、まとまったお金が必要。繰上げ返済のためにお金を貯める場合でも、ある程度の期間がかかります。それを考えれば、毎月の返済額を少し増やすというのも一つの方法ですね。
平成23年1月借入
借入金額2500万円(うちボーナス返済1000万円)・元利均等返済
返済期間30年
金利は当初10年間が1.7%、11年目以降2.3%の段階金利
しかし、注意点もあります。毎月の返済額を増やせば、ボーナスで返済する分も増えます。支払っていける範囲かどうかもよく考えておくこと。また、希望しても金融機関の審査が通らないこともありますし、増額返済を認めていない金融機関もあるようです。住宅借入金等特別控除が利用できる方は、増額することでどれだけの影響があるのかも確認しておきましょう。(執筆者:横井 規子)