保険について話している時に、「団体保険」と「団体扱い」が同じものだと勘違いされているのに気づくことがしばしばあります。名前がよく似ていますし、どちらも保険料が給与から天引きされるので同じもののように思えますが、実は別のものです。
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「団体保険」とは
「団体保険」は勤務先を通して募集される保険で、加入できる人はその企業の従業員や家族などに限られます。「団体定期保険」と呼ばれる死亡保障の定期保険をご存じの方も多いことでしょう。その他にも医療保険や、働くことができなくなった場合の就業不能保険などを団体保険として扱うところもあります。
保障内容はそれぞれの保険で違いがあるので確認が必要ですが、保険料が割安なものや、健康状態の告知が比較的緩やかなものもあります。勤務先から案内の資料を受け取ってもよく読まずに捨ててしまうというのは少々もったいないのではないでしょうか。
「団体保険」の注意点
ただし、以下の2点には注意が必要です。
1点目は保険料。必ずしも割安とは限りません。年齢にかかわらず保険料が一律に設定されている保険などは若いほど割高になってしまうこともあります。
2点目は退職後の扱いです。中途退職、定年退職いずれの場合にも保険を引き継ぐことができるのかは重要なチェックポイントです。退職後には保険がなくても構わない、という考え方もありますが、継続して保障が欲しい人にとっては大切なポイントです。
「団体扱い」とは
「団体扱い」は保険料の扱いについてのみ勤務先が係わります。勤務先が保険会社と団体扱いの契約をしていれば、保険料は割引となり給与から天引きされます。加入している保険会社が勤務先の団体扱いにできることを知らずにいる方もいるようですから、勤務先に確認してみることをおすすめします。
こちらはあくまでも個人で契約しているわけですから、退職しても保険を失う心配はありません。
「勤務先の団体保険に加入しています」という方の話をよくよく聞いてみると、それは団体保険ではなく、加入している保険が勤務先の団体扱いになっているというケースはよくあります。
それはそれで保険料が割引されているわけですから良いことなのですが、そこで満足してしまって本来の団体保険に見向きもしないのは何とももったいないことだと思います。保険に加入する時、見直す時には団体保険も検討してみることをおすすめします。(執筆者:森田 和子)