少し前から、シニア層を中心に「田舎暮らし」が流行していますが、最近は独身の人やファミリー層の「地方移住」が話題になっています。「田舎でのびのびと子どもを育てたい」、「都会では経験できないキャリアを積みたい」など目的は人それぞれですが、ここでは数ある目的の中でも「地方移住して節約したい」という目的について、検証してみたいと思います。
目次
家計費目別!「本当に節約なるの?」 支出の部
【住居費】
地方移住することで、劇的に節約できるのが住居費です。大都市で10~20万円かかっている家賃が、ちょっとした地方都市に移住するだけでも5~6万になることも。さらに地方へ行くと、家賃1~2万円という物件も珍しくありません。もちろん、中古住宅を購入するにしても安いです。
【食費】
移住するエリアによって、野菜が安い、魚介が安いなど、特長はさまざまです。地方の場合は、近所の人からのおすそわけや無人販売所での格安販売などにより食費が安くなる可能性が高いです。外食をする場合でも、都会に比べると物価は安いです。
【水道光熱費】
水道光熱費の基本的な料金は変わりませんが、近所に湧水を汲みに行くことによって水道代を安くしている人もいますね。ただ、地方に行くとガスがプロパンのところもあり、ガス代が都市ガスの2倍近くかかることがあるので注意が必要です。
【通信費】
地方に行ってもインターネット通信費が変わるわけではありません。ただ、都会に比べると無料Wi-Fiスポットがほとんど無かったりしますから、人によっては通信費のプラン変更を迫られる可能性があります。また、テレワークなどで遠隔地と打ち合わせなどで電話をする場合は、電話代のプランもよく考えておく必要がありそうです。
【レジャー費】
お金をかけてレジャー施設に行かなくても、山や川など自然の中でアウトドアを楽しめるのは地方ならでは。また、最近は町おこしのためにさまざまなイベントが開催されているところも多いので、楽しみも多いでしょう。
一方で、飲み屋など大人向けのレジャーは物足りないかもしれません。お金を使うことが減る、という意味では節約になりますね。
【交通費】
地方でも、電車やバスといった公共交通機関が発達していないところでは、自家用車が必要になりガソリン代も考えると交通費が高くつく可能性もあります。ある程度公共交通機関が発達している地方都市を選ぶ、もしくは自転車で移動できる範囲内で生活できるコンパクトな地方を選ぶといった場合は節約になるでしょう。
【被服費】
服や靴、バッグなどは、地方の方が高い場合が多いです。「ユニクロ」のように全国展開しているところであれば差はありませんが、一般的なショップは競争があまりないために割高な値段になっていると思っておいた方がいいでしょう。通販を活用できれば、被服費は抑えることができます。
【日用品費】
生活雑貨や日用品に関しても、地方の方が高くつく可能性が高いです。これらに関しても、都会のように価格競争が起きにくいです。
【教育費】
都会に行くほど、塾や家庭教師など教育費がかさみがちです。私立に行く人も多いですね。地方では公立の学校でもレベルが高いところもありますし、塾や家庭教師にお金を使う家庭も少ないです。ただし、大学に行く際には地元に良い大学がなく、下宿せざるを得ない場合があるので注意しましょう。(仕送り額は月平均10万円程度なので、4年間で480万円になります)
収入の部
【地方の支社に移動する場合】
全国に支社・営業所があるような会社の場合は、希望を出せる場合もあります。ただ、勤務地によって給料が違う場合もあり、当然地方の方がお給料が安くなってしまいます。
【地方で転職する場合】
今の仕事を辞めて転職する場合も、収入は下がると思っておいた方がいいでしょう。地方移住する前に、移住先の求人情報を見て給料の相場を確認しておくことをおすすめします。
【テレワークができる場合】
最近増えてきた、「電話やメールでやりとりをしつつ、仕事はどこでもできる」といった働き方。たとえばフリーのデザイナーやエンジニア、ライターなどは地方で働く人も多いです。この場合は移住先の給料の相場に影響を受けることがないので、収入を減らさず支出だけを抑えることができるでしょう。
地方移住の前にはしっかり計画することが大事!
地方に移住したからと言って、必ずしも節約になるとは限りません。支出が減っても収入も一緒に減ってしまうこともありますし、また、思っているよりも支出がかさむ場合もあります。移住する前には、しっかりリサーチして計画を立てておくようにしましょう。
とは言え、地方移住には「空気がキレイ」、「新しい人間関係を築ける」など、都会には無い魅力もたくさんあります。たとえ節約にはならなくてもそれ以上の魅力を感じて地方に移住する人もいますから、節約にとらわれすぎずに自分がどこに住みたいかを考えるといいのではないでしょうか。(執筆者:吉見 夏実)