前回のコラム「預金通帳を見ればわかる お金の貯まらない人に多い3つの共通点」で、「毎月お給料は入ってきているので、なぜかお金が貯まらない…。 」、「お金を貯めようと思っているのに、気が付くと使いすぎて貯めるお金がなくなってしまっている…。」という方の多くに共通する点について分析しました。
その3つというのは、
(1) 収入をそのまま普通預金に入れている
(2) 少額の引き出しが多い
(3) クレジットカードの支払いが高額
というものです。
では、これらを脱却して貯蓄体質になるにはどのようなことに気をつければよいのでしょうか。今回は、「(1) 収入をそのまま普通預金に入れている」への対処法について考えていきましょう。
→ 入ってきた収入から貯める分を先取りする
収入を普通預金に入れておくと、確かに出し入れは容易ですが残高が常に変動するため、自分がいくら貯金できているのか、当面使わないお金がいくらあるかの把握が困難になります。無駄遣いをしないためにも、貯金額を把握するためにも、普段使いの資金と貯める資金とをきちんとわけておくことが大切です。
(1) 財形貯蓄・積立貯金を活用する
分け方としては、財形貯蓄や銀行の自動積立などの、毎月自動的に積立ができるものが適しています。財形貯蓄であれば毎月のお給料から天引きされるので積立忘れや積立るお金が無くなる心配もありません。
銀行の自動積立を活用する場合の注意点としては、積立日を給料日当日か、遅くともその翌日に設定することです。これにより、お給料が口座に入った後すぐに引き落としが入るので、ほぼ確実に積立をすることができます。
(2) 2口座制を活用する
「積立にすると、わざわざおろしに銀行に行かなくてはならないのが面倒くさい…」と思う方には、給与口座の2口座制も活用できます。
2口座制とは、今お給料を受け取っている口座以外に、もう一つ第二口座を指定し、そこにお給料の一部を分けて振り込んでもらうことです。これにより、メイン口座と貯蓄口座を給与支給日に自動に分けることができ、かつ普通預金に振り込まれるためいつでもATMで出金することができます。
2口座制の注意点としては、会社によってはそもそも2口座制を採用していない場合があることと、普通預金で下しやすいため、つい使ってしまいやすいという危険性があることです。
積立にしても、2口座制にしても、毎月一定額を貯めることができるので、年間での貯蓄額をある程度予想することができます。貯める目的や用途に応じて逆算すると、毎月いくら貯めれば良いのかの目安になります。
収入 − 貯蓄 = 支出 という基本原則に立ち返るためにも、これらの仕組みを取り込んでみてはいかがでしょうか。(執筆者:高橋 幸緒里)