先日、興味深いタイトルの本を書店で見つけました。「お金が貯まるのは、どっち」(菅井 敏之著)という本です。銀行に勤めていた著者が、その体験等を基にした内容で構成され、保険会社に勤めている私自身も興味深く読ませて頂きました。今回は、その内容の一部を私の独断と偏見で紹介させて頂きます。
Part1は「銀行&保険」の活用法です。私は、日々経営者の方とも保険を中心として、様々なリスク対策についてお話をしております。
経営者の方にとっては、銀行とのお付き合いも非常に大切な事ですが、本書によると取引銀行も一工夫された方がいいようです。メガバンクと信用金庫を二者択一として捉えるのではなく、両者の特徴を生かしたお付き合いを紹介しています。
また、定期保険と終身保険、入るならどっち? という質問に対しては、これも単なる二者択一ではなく、まず保険に入るには何らかの不安があるわけで、ますはその不安の正体を突き止めよ。と結論しています。
特に、保険で必要なお金=家族に必要なお金―(今持っているお金+遺族年金)という図式で、必要な保障を解りやすく表現している点には納得がいきます。
Part2では、ずばりお金が貯まる「生活習慣」に触れています。個人的には、この部分が一番面白かったです。
例えば長財布と折りたたみ財布では、お金が貯まるのはどっちでしょうか? 財布は「お金の家」として、お金が窮屈に畳まれてお尻のポケットに入れられるのではなく、お札も手足を伸ばしてゆったりと財布の中で過ごさせてあげれば、そのお金への姿勢が良い方向へ導いてくれるようです。
私も財布はポケットに入れて手ぶらになりたかったので、以前は折りたたみ財布派でしたが、今は長財布にしてカードも最小限に留めて、領収書や小銭も長財布には入れないで、お札のみのすっきり財布にしています。
では、ねばり強い人とすぐあきらめる人、破綻しやすいのはどっちでしょう?
タイトルを見て私は、それはあきらめる人の方だろうと思ったのですが、そうでもないようです。ねばり強い人は、プライドもあってそれが仇となり、適当なところで損切りが出来なかったり、人に相談も出来なかったりする所もあるようです。なかなか渦中の自分では解らない、けれども興味深い指摘だと思います。
こうしてPart3の「住宅の選び方」へと進んでいくのですが、私はこの章の最後にある、銀行に相談する人と自力で解決する人、資産が増えるのはどっち? という問いかけの回答こそが本書の究極の回答だな、と読み終えて感じました。
その回答はここで紹介してもいいのですが、やはり本書をずっと読んで、最後の回答を自分で納得された方が、本書から受ける効果は倍増するかと思います。この記事を読まれた方で、興味を持たれた方は是非読んでみては如何でしょうか。
蓄財は単なる知識や時の運ばかりではなく、日頃のお金や生活や周囲の人との関わりの中で育まれていくものだという事に、改めて気づかせてくれるきっかけになるかと思います。(執筆者:松山 靖明)
参考資料「お金が貯まるのは、どっち!?」菅井敏之著(アスコム)