最近ではめずらしくなくなった「終活」。自分が亡くなった後のために今からできることとして、お墓を選んだり、お葬式の仕方を決めることで、しんみりとしたイメージも払拭できます。今では来年の税制改正に備えて、相続の心配を考える人もいるようです。悲しいイベントを前向きに、自分らしくすることで最後に花を咲かせるような女性らしい考え方だと思います。
でもその前に、「老い支度」です。
突然の出来事でなければ、終活の前に老後の備えが大切です。特にまだ働いている女性で、シングルの場合、こちらを優先すると良いです。
老い支度でやることは、終活で準備することにつながるので無駄がありません。老い支度のためにすることはとても多くあります。でもその中から誰でも行動すれば結果が出ることを3つ紹介したいと思います。ここから1つだけ選んで実行してみましょう。
目次
シングル女性の「老い支度」3つのポイント
1. 資産の棚おろしをする
自分の手元にあるお金はどこにいくらあるでしょうか? 様々なことに興味を持って投資をしている人は、同じ証券会社でまとまっているでしょうか?
もし違うのであれば、「どの証券会社に」、「いくら(現在の価値)」あるのか確認してみましょう。今のタイミングで確認すると、「意外にふえてるなあ」とうれしくなるかもしれません。
内容にもよりますが、まとめてしまうのもいいでしょう。つきあいなどで銀行口座を複数持っている人は、なるべくひとつにまとめてしまいましょう。銀行口座で使っていないのに残っているものがあれば、口座の解約をしてすっきりさせましょう。
自分になにかあった場合(亡くなるだけでなく、介護認定されることも考え)、いろいろなところに取引口座があると、両親や姉妹で手伝うことになったら手間がかかります。
他の人に分かりやすくするためにも、自分のセカンドライフのためにも活用できるのでとっても楽ですよ。
2. 不要なものの整理をする
人がモノの片づけをする絶好のタイミングは「引っ越し」だといわれています。引っ越しできればいいのですが、誰でもできることではありません。せめて年末の掃除の時などに合わせて、いるものといらないものの整理をしましょう。
この整理の仕方は、実は心理的には細かくなっていて
「必要なもの」
「ここ数年使っていないもの」
「いらないもの・使わないもの」
に分けられます。
整理をすると、探していて新たに買おうと思っていたものが見つかったり、もしかしたら《昔のへそくり》が出てくるかもしれません。
3. 第三者に頼る
3つめは一番「かたい」方法です。
両親や姉妹がいたとしても近くに住んでいないかもしれません。その場合、年齢問わず認知症になって誰かのお世話になるかもしれません。でも、日々の暮らしの中で生活するお金を出し入れしたり、郵便物の中から請求書や納税書類の確認をしてもらうのは、なかなかお願いしにくい内容です。
そんな時には、「任意後見」制度を使って今から備えておくことができます。
成年後見制度と違って、「任意」なので、自分の意思で財産の管理をお願いする相手やどんなことをお願いしたいのかを決めることができます。そして、実際に認知症になった時などには、ものごとが判断できる時に自分で選んでおいた人にお願いした内容をフォローしてもらえます。
終活と同様、自分の意思を尊重するためには「任意後見」制度も取り入れてほしいと思います。(執筆者:堀口 雅子)