「子供が大学に合格したのはよいのだけれど、冬のボーナスが出る前に入学金を納めなければいけないからどうしよう」というお話を聞きます。AO入試や推薦入試で合格すると考えていたよりも早く入学金を納めなければならなくなるので焦ってしまうのはよくわかります。
教育費に限らず、結婚式に続けて招待されるような場合にも現金が必要になります。貯蓄がないのであれば借りることも仕方ないかな、となるのですが、その前に加入している保険をチェックしてみましょう。忘れていた隠れ貯金があるかもしれません。
保険会社には予定以上の利益を出した場合、配当金として加入者に利益を分配する仕組みがあります。分配の方法もいくつかあります。配当金で保険を買い増していく方法や現金で受け取る方法等もあるのですが、保険会社に積み立てる方法を選択している方が多いはずです。
どれだけの配当金が積み立てられているかについては保険会社から定期的に送られてくる「契約のご案内」といった書類の中に記載されていますが、しっかり目を通すことなくゴミ箱に……という方もいるのではないでしょうか。
この「積立配当金」は保険会社に預かってもらっているだけのことなので契約者が自由に引き出して使うことができます。返済する必要もありません。配当金を引き出したい方は担当者やコールセンターに問い合わせてみるとよいでしょう。
ただし、全ての保険に配当があるわけではありません。加入して3年目から支払われるもの、5年目から支払われるものなど様々です。また、全く配当のない無配当保険もあります。これは配当を出さないことを前提にしているため保険料が割り引かれて安くなっています。
また、解約返戻金のある保険なら「契約者貸付」という制度を使ってお金を借りられる場合もあります。自分の加入している保険から借りることができるという点は良いのですが、使い方を誤ると最悪の場合には保険を失うことになってしまいます。
借りても返済の目途が立たないような時には利用しない方がよいでしょう。一方、冬のボーナスが出るまでの間だけ借りたい場合や、満期の近い保険に加入している場合などには利用を検討する価値があります。(執筆者:森田 和子)