一方で「減税」もある!
改正相続税法の施行まであとわずか。増税、増税と大騒ぎしていますが、一方で減税になることもあります。
贈与税の税率構造が変わります。平成27年1月1日からの贈与は、一般贈与財産と特例贈与財産に分けられます。この特例贈与財産とは直系尊属(祖父母や父母など)から、贈与を受けた年の1月1日現在で20歳以上の直系卑属(子・孫など)への贈与をいいます。この贈与には特例税率が適用になります。
この特例贈与財産の新設は、財産を多く所有する祖父母・父母などから子や孫といった下の世代へ財産を移動させてより多くのお金を使ってもらおうという政策の一環と考えられます。実際に贈与の多くは、親から子供へ、祖父母から孫へといった身内で行われています。つまり、この改正は多くの方にメリットがあると考えられます。
もっと多額の贈与をしたい方へ
今までは、贈与税の最も低い税率である10%を最大限に利用するということで200万円に基礎控除の110万円を加えた310万円が効率的でしたが、これからは特例税率のその次の税率である15%の400万円以下の枠まで利用できます。
相続税の最低税率は10%。相続税を納める方にとってはどのみち10%以上の税金がかかるのですから、9.8%の税率(50万円÷510万円)ならばOKですね。
今までは、
これからは、
受贈者が3人いれば、毎年150万円の贈与税で1530万円(510万円×3人)贈与ができます。これを数年続ければかなりの金額の贈与ができることになります。多額の贈与ができるということは、有効な相続対策にもなります。
贈与契約書を作ること、振込などで贈与の記録を残すことなど贈与としての形式を整えることはもちろんのこと、相続開始3年内の相続人に対する贈与は相続財産に加算されるなど制度も合せて理解しておきましょう。(執筆者:本間 慶喜)