これまで4回にわたって、相続税対策についてお伝えしてきましたが、相続税対策で重要なことは、節税の部分だけでなく、それ以外の部分もしっかりとチェックすることです。
賃貸マンションを建てる、生命保険に加入する…本当に必要なものであれば、万が一、相続税対策にならなくても問題がないのであれば実行する価値はあると思います。
しかし、相続税対策のみに視点がいってしまい、実行後のリスクや税制改正などが視点に入っていないのであれば、危険性があると思われます。後で、こんな筈ではなかったと後悔しても後の祭りです。
また、相続税対策においては、ご提案される内容も、例えば不動産会社の方であれば、不動産に関連したご提案をするでしょう。また、保険会社の方であれば、生命保険に関連したご提案をするでしょう。
これらを批判している訳ではありませんが、ご提案の内容があなたにとって、一番良い内容なのかどうか? はあなたご自身で判断する必要があります。したがって、あなた自身も相続税対策を実行されるのであれば、相続税対策に関する知識を身に付けておく必要があります。
または、包括的にご提案をしてくれる専門家を探すのも一つでしょう。その時に、相続税対策の実効ありきではなく、相続税が課税されたとしても、敢えて何もしないといった選択肢も中にはあるのかもしれません。
相続税は課税されるとなると、多額の相続税額が発生します。したがって、相続税額を少しでも減らしたいといった気持ちは十二分に理解できますが、そこに落とし穴があることを忘れることなく、検討や実行に移していただければと思います。(執筆者:岡田 佳久)