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どんな投資法にもリスクがつきもので、FX投資も例外ではありません。FX投資を手がけるなら、如何にリスクを抑えて取引するかが大きなポイントとなります。しかし、FX取引そのもののリスクだけではなく、利用するFX会社に潜むリスクも考えなければなりません。
FX取引時に各トレーダーは、証拠金(担保にあたるもの)をFX会社に預けるのですが、突然利用中のFX会社が破綻・倒産したら…と考えると、これは真剣に考えなければならないテーマと言えるでしょう。もちろんFX会社が破綻したとしても、投資家の証拠金はFX会社自己資産とは別に管理することが法令で定められていますので、投資家の自己資金が戻ってこないということはありません。
しかし、会社が破綻したとなるとかなり面倒です。証拠金が返還されるまでの手続きや投資における時間ロスは何としても避けたいところですから、破綻の心配がない財務基盤の健全性が確立されているFX会社を利用するのが賢明です。
では、FX各社の財務基盤の健全性はどのように測ることができるのでしょうか? 一つの目安として、FX各社が毎期ごとに開示する「自己資本規制比率」をチェックすることができます。
目次
自己資本規制比率とは
自己資本規制比率とは、金融取引各社の財務基盤の健全性を知る指標です。金融業者の営業活動におけるリスクを数値化。そのリスクの120%以上の固定化されていない自己資本額を維持しているかを指し示す指標、これを自己資本規制比率と言います。簡単に言うと、「リスクに対応できるだけの財務基盤がある」ということですね。
自己資本規制比率を算出する計算式は以下の通りです。
この計算式は参考までに眺めるだけで良いかと。自己資本規制比率はFX会社の財務基盤の健全性を表す数値、というのを頭に入れておけばOKです。
自己資本規制比率は120%以上維持することが金融商品取引法で定められていますが、数値は高ければ高いほど健全で安全です。毎年3、6、9、12月には自己資本規制比率を公表することが義務付けられていますので、利用したいと思うFX会社や利用中のFX会社の比率をHPなどで確かめることをオススメします。
仮に、利用中のFX会社の自己資本規制比率が120%を切っている、或いは限りなく120%に近い場合どうしたら良いでしょうか? 個人的には速やかに資金を引き上げると思いますが、最終的には自己判断で。
自己資本規制比率の高いFX会社トップ3
では、国内FX会社の中で自己資本規制比率が高いのはどの会社でしょうか。現時点でのトップ3社を以下ご紹介します。(比率はすべて2014年12月末時点)
【第一位:外為どっとコム】
自己資本規制比率:1411.0%
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【第二位:インヴァスト証券】
自己資本規制比率:1188.9%
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【第三位:YJFX!】
自己資本規制比率:1128.1%
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こうしてみると、意外な会社が上位にランクインしていると感じるかもしれませんが、この3社の財務基盤の健全性が秀でていることは間違いありません。安全重視でFX口座を選別したいなら、これら3社が有力候補となるでしょう。
ただし、多くのFXトレーダーは、各社財務基盤を第一に考えてFX口座の選別をしているわけではないようです。というのは、経済に関するデータ調査のプロフェッショナル「矢野経済研究所」が毎月公表しているFX月間取引高の上位3社と、自己資本規制比率上位3社の顔ぶれが違うんです。以下、「2014年12月のFX月間取引高」をご覧ください。
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上の表で、第一位「DMM.com証券」、第二位「GMOクリック証券」、第三位「YJFX!」と、自己資本規制比率トップ3の両方にランクインしているのは「YJFX!」のみ。しかも取引高をみると、二位のGMOクリック証券と三位の「YJFX!」の差は2倍以上。
ちなみにDMM.com証券とGMOクリック証券の自己資本規制比率は以下の通り。(比率はすべて2014年12月末時点)
・GMOクリック証券:350.4%
法令で定められている120%はクリアしていますが、他社と比べて特に高い数値というわけではありません。
これらデータから見えるのは、多くのトレーダーが好んでDMM.com証券やGMOクリック証券を利用しているのは間違いなく、各社の自己資本規制比率を最重要視しているわけではないようです。トレーダー目線で言うと、FX会社選別において、「その他比較すべきものがある」ということが読み取れます。
財務基盤の健全性が疑わしいFX会社は…
しかし、財務基盤が確固たるものか、自己資本規制比率にて比較する重要性に変わりはありません。では、現時点で財務基盤の健全性に疑わしいFX会社はあるのでしょうか?
FX各社の自己資本規制比率を調べると、トレイダーズ証券の比率がワースト1。健全性に黄信号…といったところでしょうか。
FXブランド名:みんなのFX
自己資本規制比率:
14年3月末191.2%
14年6月末158.0%
14年9月末142.7%
14年12月末148.5%
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少なくともここ1年の比率推移は120%オーバーですから、今すぐどうにかなるというわけではなさそうですが、比率が100%を切った時期が過去にあったことを考えると、財務基盤に一抹の不安があるのかと。
≪まとめ≫
◆自己資本規制比率を最重要視してFX会社が選別されているわけではない
◆安全性を第一に考えると、自己資本規制比率の高いFX会社を利用すべき
今回は自己資本規制比率という観点からFXとFX会社について考えてみました。FX会社選別の参考になれば幸いです。(執筆者:堀 聖人)