部下がお客様からのクレームに対応していました。聞いていると
という内容。
ご主人が亡くなられて団体信用生命保険に加入していなかった事が分かって、奥様が営業担当にクレームを付けている。奥様の言い分としては、おたくは「一流の住宅メーカーなのだから企業の責任として、団体信用生命保険に加入させるのが当然だ」したがって「加入させなかったのは会社の担当者の責任だ」という主張です。
目次
団体信用生命保険とは
今このコラム読んでいただいているあなたは、団体信用生命保険をご存知でしょうか?
住宅ローンは借入額が高額のため、通常20年~35年といった長期返済となります。そのため、返済期間中に働き手を失った遺族が困らないように、住宅ローンに付随する生命保険のことです。通称「団信」と言われています。借り入れた本人が住宅ローンの返済途中で死亡、高度障害になった場合に、生命保険会社が住宅ローン残高を支払うというものです。
普通の生命保険に比べて、月々の保険料が格安となっています。民間の住宅ローン融資は、団信に加入できない場合は融資を受ける事が出来ません。健康でないと住宅ローンは借りられないのです。
しかし、旧住宅金融公庫は団信への加入は任意となっていました。住宅金融公庫を引き継いだフラット35も団信への加入が任意となっています。それは、病気などが原因で団信に加入できないことが理由で住宅購入をあきらめるケースを防ぐためです。重要な部分なので繰り返しますが、一家の働き手に万が一があった時は、残された家族に住まいというライフラインを残すことができる大切な保障なのです。
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団信を途中解約するケースは夫婦不仲に多い
今回クレームとなっているケースですが、ご主人は建築時には健康であったそうですから団信に加入出来たのに加入しなかった。団信に加入していなかったので、住宅ローンを返済していけないので家を処分しなければならないのは営業マンへの教育が悪いと上司である私にも矛先が向けられました。
お気持ちは分かりますが、ご主人が入らないと決めた事を強引に加入させることは困難ですと申し上げました。新築時に加入されても途中で解約されるケースもあります。概ねご夫婦仲が悪いことが原因です。
生前の家庭生活に不満があったご主人からのメッセージです。奥様からすると住宅を購入してくれて団信に加入してくれれば、自分のライフラインは確保できたと、安心しているでしょうがご主人を大事にしないと最後に仇をとられてしまいます。ご注意願います。
夫婦一緒に加入できる「連生保険」がオススメ
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私は、営業の頃にご主人と奥様が一緒に加入できる団信をお勧めしていました。連生保険(デュエット)(夫婦連生団信)というのですが、フラット35を借りる時に奥様に収入があれば奥様も加入できます。
この団信が気に入っている点は、ご夫婦のどちら一方の加入者が死亡または高度障害に状態になられた場合には、住宅の持ち分や返済額等に関わらず、残りの借入金が保険で支払われるために、返済義務がなくなります。
デュエットに加入されたお客様はご夫婦そろって元気でいらっしゃいます。お話をお聞きすると住宅ローンの返済が不要となった後の人生を楽しむと仰っています。連れ合いよりも長生きしたいとお互いに健康管理に努めていらっしゃいます。どちらかが病となってもローンの返済が不要となればライフラインは守られますね。
団信に入るか入らないか、妻の言い分。夫の言い分ですが。一緒に加入すればイーブンですね。(執筆者:岩宗 繁樹)