あなたは、普段どれぐらい「片づけ」をしていますか? 実は、片づけが苦手な人ほど、貯蓄も苦手です。片づけが苦手な人はそもそも持っているモノの量が多いものですが、モノの量が多いということは、それだけモノを買っているということ。
また、片づけが苦手な人は何がどこにあるのかを把握していませんが、当然「どの口座にいくら入っているのか?」も把握しておらず、家計が火の車であることにすら気づけていない人もいます。
お金は、真面目に仕事をしていればある程度は稼げます。しかし、そのお金の使い方がヘタだと、お金を貯めることはできません!!
そんな、片づけ下手で貯蓄下手な人におすすめしたいのが、「片づけ祭」です。
目次
”こんまり”発! 「片づけ祭」とは?
断捨離やシンプルライフというモノを持たない暮らしが流行っている中で、「ときめくモノだけに囲まれた暮らし」を提案しているのが「こんまり」こと近藤麻理恵さんです。「人生がときめく片づけの魔法」はアメリカでもベストセラーになるほどです。
そんなこんまりさんの片づけ術は、「とにかく1回だけでいいので、徹底的に片づけてみる」という方法。しっかりと自分が持っているモノと向き合い、不要なモノは処分し、自分にとって必要なモノ・大切なモノだけを残して整理すれば、リバウンドゼロの片づけができる、というものです。
その片づけは「片づけ祭」とも言われ、「片づけをイベント化する」ことによって、徹底的に片づけすることを勧めています。この片付け祭ですが、実は家計管理にもとっても役立つんです。
無駄に気づくからムダ遣いがなくなる
片付け祭とは、ただ散らかった部屋を片付ける、というものではなく、持っているモノすべてを一つひとつ「いる・要らない」の判断をし、本当にいるものだけを残していく作業です。
すると、出るわ出るわ、いらないモノが大量に! 徹底的に家の片づけをしてみると、クローゼットからも、キッチンの戸棚からも、洗面所下の収納からも、とにかく不要なものがたくさん出てきます。
不用品はゴミ袋何十袋にもなり、かなりショックを受けるはずです。「わたしは、今までこんなにたくさんのいらないモノのためにお金を使ってきたんだ……」と心からの反省ができるかもしれません。
ここからは、実際に筆者自身が片づけ祭をおこなったときの様子とともに、具体的な片づけ祭のやり方を紹介していきましょう!
4日間の片づけ祭でゴミ袋22個! 謎のコードも出現
わたしは、2013年7月にこんまりの本を読み、初めて「片づけ祭」なるものを開催してみました。(開催と言ってもほぼ一人で黙々と作業するだけですが……)
片付け祭の手順としては、下記の順番が推奨されています。
衣類
トップス→ボトムス→かけるもの→靴下類→下着類→バッグ→小物類→イベントもの→靴
本
一般書籍→実用書→観賞用→雑誌
書類
未処理→保存(契約書)→保存(契約書以外)
小物類
CD・DVD→スキンケア用品→メイク用品→アクセサリー類→貴重品(印鑑・通帳・カード類)→機械類(デジカメ・コード類)→生活用具(文房具、裁縫道具)→生活用品(薬類・洗剤・ティッシュなど消耗品)→キッチン用品→食料品→その他
思い出品
※詳しいやり方は、こんまりさんの著書「人生がときめく片づけの魔法
」に掲載されています!
正しい手順に従い、そのジャンルに該当するものをすべて一か所に集めることから始めましょう。
これらを、一つひとつ手に取って、「この服に自分はときめいているのか?」ということを問いかけながら仕分けしていきます。(もちろん、ときめかなくても仕事で着る服など必要なモノは残してください)
わたしは、服そのものよりも、ハンガーの多さに驚愕しました。ハンガーだけで、ゴミ袋1袋分になりましたよ。
本はこれでも一部。本も、すべて本棚から出して、一つひとつ手に取ることが大切なんだそうです。約半分にあたる150冊程度を処分。
こんまりさんの言葉に「謎のコード類は永遠に謎のまま」という名言があります。読んだときは笑っていたのですが、いざ片づけを始めてみると我が家にも謎のコード類が…。
いろんな家電に挿してみて、「これは要らない」と判断したものは処分しました。
謎のコードと、それからカーテンレールが大量にあってびっくりしました。
書類関係は、わたしは書類専用のラックを持っていて、そこに収納していました。書類整理がけっこう好きなんですよね。
でも、こんまり流にしたがってほぼ「全捨て」を決意。本当に保管しなければならないものだけを残すと、クリアファイルのみで十分な量になり、本棚にスポッと収まるようになりました。収納ラックも処分です。
左側が「未処理」……提出しなければならない書類など
右側が「保存」……契約書や保証書等、保存しておくべき書類
こういう、ご案内やお知らせ系は、カレンダーに転記して廃棄してしまうか、「持ち物がいっぱい書いてある」など転記が面倒なものはスマホで写真を撮って捨てています。
こうして手順に従いながら、もくもくと片づけを続けることのべ4日間。片づけ祭は最大で半年程度かかる人もいるそうなので、「毎週日曜日は片づけ祭をする」というように、時間をかけて片づけしても大丈夫です。
子供に任せていたらエライことになってしまいましたが、一緒に片づけてキレイになりました。
調味料以外にもあれこれ雑多に置いてしまっていたキッチンの出窓。
調味料類は戸棚に片づけることにしたので、とてもスッキリしました。
ピアノの下にいろいろ置きがちでしたが、片づけ祭を機にすべて置き場所を決めてすっきりさせました。
片付け祭で得た収穫と、収入
◎本110冊程度と、CD30枚ほど……ブックオフで2,810円
◎ガラスの仮面前46冊……ヤフオクにて3,700円(終わるの待ってられなかった……)
ちなみに、昨年にはついにNANAもすべて手放しました。だって、終わるの待ってられない……
◎古いジュエリー……2,000円 安すぎて言葉を失いました
合計:8510円
◎ゴミ袋代 400円ほど
◎粗大ごみ 机・イス・衣装ケースで1,200円
合計:1600円
◎いらない服は多いのに、持っておくべき服が無いことに気付いた
フォーマルスーツやちょっとしたお出かけに使えるワンピースなど、持って置いた方がいい服は持っていないのに、いらない服ばかり溜めこんでいました。この後、少しずつ必要な服を買い揃えていきました。
◎洗剤が多い
もともと、重曹やお酢を使ったナチュラルクリーニングを取り入れているので一般家庭に比べれば洗剤の種類は少ないほうだと思っていましたが、それでもいろいろ持ってたんだなぁとびっくり。
◎お風呂が汚い
浴室掃除は入浴のついでにしていたのですが、わたしは視力が悪い。そのため、蛇口周辺など見えにくいところに汚れが溜まっていることに気づきました。片づけ祭のあと、業者にクリーニングをお願いし、その後はちゃんと眼鏡をかけた状態で掃除するようになったのでキレイな浴室をキープできるようになりました。
これでも、わたしはもともとモノを持たないタイプの人間です。でも、それでも不要なモノってやっぱりありました。
自分では「必要」だと思っていたものでも、こんまりさんの本や、断捨離など片づけ関連の本を読んでみると他者の価値観を取り入れることができ、「これってなくてもいいんだ!」と思えるものがたくさんあることに気づきます。
今までは100円ショップの物だと気軽に買ってしまうなど無駄遣いをしてしまっていることもありましたが、片づけ祭を実践したあとは、たとえ100円や1,000円のものでも、じっくり考えて、「なくてもいいんじゃない?」と自問自答しながら買い物するようにしています。
そうすると、今まで以上にお金を使わなくなり、お金も貯まりやすくなりました。片づけが苦手、かつ貯蓄も少ない、という人はぜひ片づけ祭をしてみてはいかがでしょうか?(執筆者:吉見 夏実)