今月3月が年度末だという会社も多いことから、現在の仕事に区切りをつけて今月末で現在お勤めの会社を退職される方もいるかと思います。退職後、(1日の空白もなく次の会社に勤務する場合は別として)健康保険は次のいずれかを選び、加入します。
(2)勤務していた会社で加入していた健康保険の任意継続被保険者となる。
(3)お住まいの市区町村の国民健康保険に加入する。
任意継続被保険者と国民健康保険の保険料を比較すると、大抵の場合は任意継続被保険者の保険料の額が低額です。そして任意継続被保険者は退職から20日以内に手続を完了させないと加入できなくなることから、退職後に急いで任意継続被保険者の資格取得手続をされる方が多かったと思います。
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目次
退職後の健康保険料の減額措置
しかし退職の理由が会社の倒産や解雇等である場合(特定受給資格者)もしくは雇用期間の満了等である場合(特定理由離職者)には、任意継続被保険者の手続と併せて国民健康保険に加入することも検討してみてください。
なぜなら、そもそも保険料の額は、簡単に言ってしまうと「給料の額×保険料率」で決定されるため、給料の額が低いと保険料の額も比例して低くなります。そして会社の倒産・解雇や雇用期間の満了等を理由に退職した方については、給料の額は70%減額された額(「前年の給料所得額×30%」相当額)を基準に国民健康保険の保険料の額が計算されるので、退職後の健康保険料の額をぐっと抑えることが可能となるからです。
1. 国民健康保険料の減額を受けられる人は?
国民健康保険料の減額措置を受けられる人は、
・退職日時点で65歳未満であって、
・失業保険が特定受給資格者又は特定理由離職者に該当する方です。具体的にはハローワークで交付される雇用保険受給資格者証の離職理由コードに、次の離職コードのいずれかが記載されている方が対象です。
(1)特定受給資格者 離職理由コード 11・12・21・22・31・32
(2) 特定理由離職者 同 22・33・34
2. 国民健康保険料の減額措置はいつまで受けられるの?
最大で、退職の翌日の属する月から翌年度3月までの期間です。
例えば今年の3月31日付で退職される特定受給資格者又は特定理由離職者は、今年(平成27年)の4月から平成29年3月までが減額措置の適用期間です。但し再就職等によって他の健康保険に加入する場合には、その時までが減額措置の適用期間になります。
3. 手続はどこに、何を持っていけばいいの?
国民健康保険の手続はお住まいの市区町村で行います。印鑑、雇用保険受給資格者証、退職直後に国民健康保険への加入手続をされる方は会社で加入していた健康保険の資格喪失証明書等が必要です。手続にお出掛けになる前に、お住まいの市区町村の国民健康保険の担当課へお問い合わせください。
退職後、次の仕事が見つかるまでは非常に不安になります。失業中の不安材料を少しでも軽くできるよう、本制度をご活用下されば幸いです。(執筆者:岡村 ひろ子)