「あまり信頼できない39.9%」
「敷居が高い33.5%」
「経済情報を発信している21.6%」
平成24年に日本証券業協会が行った『証券投資に関する全国調査』で、≪証券会社のイメージは?≫とのアンケート結果です。
同じ調査で、≪株式の保有状況≫は、「これまでに持ったことがない81.5%」、≪投資信託の購入意向≫については、「今のところ購入するつもりはない95.1%」
また、NISA(少額投資非課税制度)が始まった昨年6月に野村総合研究所が実施したアンケート調査でも、投資のイメージは「リスクが高い」、「素人には難しい」、「お金に余裕のある人向け」、「興味がない」が上位を占めております。
日銀調査資料「家計の資産構成」を見ると、お家のお金の預け先は、
≪現金・預金≫は、日本が52.6%、米国は13.5%、ユーロ圏は35.2%。
≪保険・年金準備金≫が、日本26.8%、米国32.6%、ユーロ圏31.7%。
≪債券・株式・投資信託≫日本16.3%、米国51%、ユーロ圏29.8%
と、なっております。
注意すべきは、保険・年金準備金の項目です。日本は解約金のある生命保険ですが、米国とユーロ圏は個人の退職金・年金積立口座。この部分も、米国やユーロ圏では株や債券等の運用に回っているお金です。つまり、米国やユーロ圏では≪現金・預金≫以外の個人のお金は運用に回っているのに対し、日本では16.3%です。
もうひとつ、日本経済新聞「アジア10カ国の若者調査から」によると、≪株式・投資信託など金融商品を持っている≫は、マレーシアの60%が最も高く、次いでインド52.5%、シンガポール50.5%、中国、タイ、フィリピンも4割を超えるのに対し、株式・投資信託などを持っている日本の若者は、18.5%に留まっております。
随分と並べてしまいましたが、こうしてみると、日本人の投資に対する姿勢は、いくら国を挙げて「貯蓄から投資へ」が叫ばれ、NISAが始まり、確定拠出年金制度の普及拡大を目指しても、早々変わるものではなさそうです。

この20年、株式投資は報われず、預金利息もゼロコンマの世界、住宅ローン金利も変動金利に軍配が上がるデフレの時代では、「投資なんて」は至極当然の帰結なのでしょうか。
政府も日銀も挙って、物価上昇率2%を目指していますよ。定期預金の金利は0.02%台、お金を銀行だけに預けておいては、実際に使えるお金の価値は下がりますよ。長く続いたデフレから、潮目は変わりつつありますよ…。
分かっていても、実感がない。NISA(少額投資非課税制度)は興味がないこともないが、何を買ったらいいのか、やり方も分からない。各種のアンケート結果を見る限り、大方の人にとっては「あまり信用できない」証券会社で、「投資なんて怖い」。
鉄板、筋金入りの投資恐怖症? を、どう克服し、「投資」は不労所得を得るものでも、損をするものでもない、との理解が得られるためにも、第1に証券会社や、運用会社、販売者、それぞれの地道な啓発努力は言うまでもありません。
ただし、待っているだけでは、日が暮れてしまいます。「叩けよ、さらば開かれん」です。今は、インターネットだけでも、投資や運用に関する様々な情報を得ることは容易です。
老後のためにお金を増やしたい、今のままの低金利はいやだ、資産の目減りを避けたい、と思うなら、信頼できるサイトで、少しずつ勉強しながら、そろそろ、こわごわ、少額のお金を銀行から証券会社の商品に移してみて下さい。投資信託なら、NISA口座で毎月500円から積立ができるネット証券もあります。
証券会社の商品に馴染み、使いこなして欲しいと願っております。何故なら、増える、増やすとは、雪だるま式の複利効果を利用することです。残念ながら、今の日本で複利効果の期待できるお金の預け先は証券会社の商品くらいしか思いあたらないのです。(執筆者:平賀 初恵)