家計簿や資産管理のためのスマホアプリって意外とたくさんあるのですが、その中の一つに「Yahoo! ファイナンス」があります。家計簿というよりは資産管理のためのアプリになりますが、株投資をするのに役に立つのか、実際に使って調べてみました。

「Yahoo! ファイナンス」がアピールしているアプリのメリットは…



といった点。
「目標資産総額の○○%達成」とか「資産状況の推移」をグラフで見ると視覚でとらえられるので、分かりやすいのは確か。今回の主旨は、株投資に役立つか、という点。実際にアプリを開いて、メインメニューを見てみます。

メインメニューを見た第一印象は、シンプル、複雑ではない、といったところでしょうか。株投資に役に立ちそうなメニュー…と探してみると、上から5番目の「株式ランキング」に目が留まりました。ちょっとタップしてみましょう。

これは見やすいですね。銘柄が大き目に表示されており、証券コードと上場取引所名もしっかり入っています。そして、値上がり率ランキングだけに、値上がり率が青字で大きく表示されています。配当利回りタブもタップしてみましょう。

表示の仕方は上の値上がり率と変わりありません。強いて言うなら、配当利回りの数字が黒字なところでしょうか。
よく見ると値上がり率の第6位と配当利回りの第2位にダブルランクインしているのは、「江守GH(9963)」。気になるならば、江守GHをクリックすれば銘柄の詳細情報を見られる、というわけですね。そんな感じで銘柄検索ができます。
※江守GHは12月期末時点で234億円の債務超過、無配の可能性大です。最終損益440億円の赤字発表後、連日のストップ安、反動で一時的に値上がりしたため値上がり率にランクインしたようです。決してオススメ株ではありませんので、ご注意を。
次に、株主優待を見てみましょう。

右側に月タブがあって、月ごとの株主優待を検索することができます。条件設定をして検索することも可能ですから、PCでの検索とそれほど差はないかと感じました。
メインメニューには業種一覧もあるのでタップしてみました。

市場動向によっては業種別に銘柄を選別することが多々ありますから、メニューに業種一覧がある点は評価できると思います。
メインメニュー下部にある株価予想は如何でしょうか。

株価に関する最新の予想が見られるのは、ポイントが高いですね。リアルタイムのニュースは株投資に必須です。一定の評判がある著名アナリストなどのコメントをみれば、今後どのように株売買をすればよいか参考になると思います。
右側タブを見ると分かりますが、最新の予想だけでなく、日本株、日経平均、NYダウ、米国ドルといった、内容を限定しての閲覧も可能。これはなかなか便利です。
もう一つ、メインメニューのチャート検索を使ってみました。

チャート検索では、特定の形を描いたチャートを検索することができるのが特徴です。好みのチャートの形を手書きできるわけですね。じゃあ、ダブルボトムを書いてみましょう。せっかくですから、ちょっと歪なダブルボトムにしてみました。

2番底をつけた銘柄は見つかるでしょうか?

検索すると、自分がイメージしたものとかけ離れたチャートがヒットしました。私の書き方も悪かったのかもしれませんが、どうやら検索できるのは一本線など、もっと簡単なものらしいです。チャート検索に関してはちょっと不満足です。
「Yahoo! ファイナンス」アプリに株価アラート機能という機能があります。自分の設定した株価に達するとメールで通知してくれるのですが、まずは銘柄選択からです。

「設定」をタップすると…

画像のような設定画面になります。次に、右上の検索ボタンから設定したい銘柄を検索します。そうですね、今気になるのは7752。

アメリカ利上げの記事で紹介したリコー、気になりますので “ヤフッって” みました(ヤフー検索をヤフるとは言わない? )。ヒットした「リコー」をタップし、リコーの詳細をみてみます。

チャート画面をみると、意外にも見やすいです。チャート足は、日足、週足、月足、3カ月足、6カ月足、年足、2年足、5年足、10年足、全期間と、計10種類。PCでYahoo!ファイナンスを見ると、チャートを「全期間」表示する機能はないんですよね。これは想像以上の高機能でした。

個人的に気に入ったのが、この業績レポート。売上高、経常利益など、業績がグラフで表示されるので、一目見るだけで理解できると感じました。株投資において、業績関連のファンダメンタル分析は必須ですから、これは役に立つのではないでしょうか。

優待タブをタップすると優待内容画面が表示されました。優待内容だけでなく、権利確定月、単元株数もしっかり表示されているので、手軽に検索できると思います。
ただし、有料でしか見られないものも。

実際に株の売買をする時に見る板気配。これはVIP会員しか見られません。ただし、実際に株の売買をする時は証券会社の取引ツールを利用するわけですし、もちろん板気配も見られます。情報収集という観点で考えれば、「Yahoo!ファイナンス」アプリで板気配が見られなくても問題はないかと。

アナリストレポートも有料でした。

お好みの銘柄が一定の株価に達すると通知してくれる「株価アラート機能」。せっかくですので、リコーをアラート機能に加えてみましょう。お好み銘柄の画面上部のベルマークをタップすると…

以上のような設定画面がでてきます。設定できるのは、高値、安値、値上がり率○○%以上、値下がり率○○%以下、ストップ高/安、年初来高値/安値、ゴールデン/デッドクロス。一つだけ指定することも可能ですし、すべての項目を選択することもできます。
設定すれば、あとはメールでの通知を待つだけ。常にチャートをチェックしなくても良いので、とりわけ狙い目の銘柄がある時、或いは昼間働いていて株価チェックを頻繁にできない方にとっては使える機能かと思います。
まとめ
今回見てみたのは、「Yahoo! ファイナンス」アプリ。客観的に判断すると、使えるなと思いました。株投資は情報が命。その情報を幅広く提供しているとの印象です。アプリ評価を簡単にまとめると…
◆各社業績がグラフ付で見やすい
◆株価アラート機能は好印象
◆チャート検索は改善が必要
◆課金しないと見られない情報がある
どちらかというとメリットが際立つアプリですし、もちろんアプリ自体は無料。端末に入れといても損はない、というのが結論です。参考になれば幸いです。(執筆者:堀 聖人)