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4月3日(金)PM9:30、予定通り3月分「米雇用統計」が発表されました。10項目以上ある雇用統計の中でも注目度が高いのが2つ。
◆失業率
この2つの数値が発表された瞬間、為替レートはどのように反応したでしょうか? 米ドル/日本円の5分足チャートをご覧下さい。
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チャートを見ていただければ、雇用統計指標がどのような内容だったかお分かりいただけると思います。雇用統計発表後、ドル円119.900円付近から一気に118.900円へ。米ドル円は “バンジージャンプ” となりました。失業率は先月と変わらず5.5%だったものの、新規就業者数は市場予想の約半分の数値となる12.6万人。
予想をはるかに超える低水準となった新規就業者数。市場は、「米金利上げは先延ばしになる」、「景気回復急ブレーキ」と考え、ドル売り円買いに走ったわけです。この数値がどれほどの悪化なのか。以下、2014年1月以降の非農業部門新規就業者数データをご覧ください。(数値単位は万人)
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新規就業者数12.6万人という数値は、2014年1月以降で最低数値となります。ドル円レートがバンジージャンプしても何も不思議ではありません。
では、この数値をどう捉えるべきでしょうか? 米利上げXデーは先延ばしになると考えるのが妥当でしょうか?
目次
米利上げXデーは先延ばし濃厚?
米利上げが先延ばしになると考えるのは時期尚早です。雇用統計の新規就業者数だけで利上げの可否を決めるわけではありませし、失業率は5.5%を維持していますから、景気回復急ブレーキと判断するのは早すぎます。
米利上げXデーを予測する上で今後注目したい指標はいくつもありますが、その中で特に以下の2項目に留意したいところです。
1) 米1-3月期GDP速報値(4月29日発表予定)
平たく言うと、アメリカの生産活動を表す指標。2.0%を越えてくれば利上げXデーがグッと近くなると思いますが、仮に1.0%を割り込むようなことがあれば、9月の利上げに黄信号点灯と考えて良いでしょう。
2) 4月分米雇用統計(5月8日発表予定)
5月8日発表予定の4月分雇用統計に引き続き注視です。新規就業者数が3月と同レベル程度であれば、あるいは失業率が5.5%よりも上昇するようなことがあれば、利上げタイミングにより慎重になるのは当然と言えるでしょう。
まとめ
・今後1カ月で特に注目したいのが、「米1-3月期GDP速報値」と「4月米雇用統計」
・指標次第では利上げ先延ばしの可能性も
今後も重要経済指標とドル円の動きに注視です!(執筆者:堀 聖人)