日本のサラリーマンは、8月13日前後から16日(日)までお盆休みのようですね。休日を利用して里帰り、または家族と旅行を満喫、といったところでしょうか。
しかし、忘れていけないのは「セプテンバーリスク」。今年の9月は市場が大荒れになるリスクが潜んでいるのです。
8月10日の週には、すでにセプテンバーリスクを予感させるニュースがありました。すでに休暇に入っている人は、もしかしたらそのニュースを知らないかも…。
お盆休み満喫中に失礼ですが、セプテンバーリスク対策はできているでしょうか?
目次
セプテンバーリスクとは
そもそもセプテンバーリスクとは何でしょうか? 文字通り9月に起こり得る相場リスクのことです。世界同時株安か、通貨戦争か、はたまた別のリスクか。それは分かりませんが、9月に相場が激しく動くリスク要因がたくさんあるんです。
中国リスク
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最大のリスク要因がコレ、中国リスク。
8月11日(火)、中国の中央銀行にあたる中国人民銀行は、人民元を切り下げました。人民元安に誘導したということは、経済動向が想像以上に思わしくないのかもしれません。
そういえば、先日は株式売買停止措置、今回は元安誘導。中国はなんでもあり、ですね…。
何はともあれ、景気後退が始まった可能性が高い中国が次にとった景気対策法。それが、元の切り下げだったわけです。元安誘導は少なくなくとも2つのシナリオが想定されます。1つは、中国経済持ち直しです。
大幅な人民元安はアメリカをはじめ諸外国への影響が少なくないのですが、相応しい範囲内での調整ならば、中国景気が持ち直しになるだけでなく、世界経済へも好影響と言えます。
ポイントは、元安誘導の程度です。今後、中国人民銀行が想定外の通貨安を仕掛けてくるなら、日本を含め海外諸国にとってはデメリットが大きくなると思われます。
想定以上の元安による海外諸国のダメージ。これが2つ目のシナリオです。
たとえば、元安円高が進行すると、訪日中国人の減少が予想されます。訪日観光客は円安でお得だから日本に来ているわけですからね。
となると、日本のインバウンド消費を支えてきた中国人の “爆買い” が減少となり、結果日本の景気へ悪影響となるかもしれないのです。
また、中国の元安誘導は、その他新興国通貨にも影響が出てくると思われます。新興国通貨は対ドルで下落傾向にあり、そこで元安誘導となれば、世界的な通貨戦争に発展する可能性も。
いずれにしろ、元の切り下げは世界各国へ何かしか影響を及ぼすでしょう。
アメリカリスク
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9月にアメリカは利上げをするのかしないのか、市場予想は2つに分かれています。だからこそリスクになり得るんです。
つまり、9月利上げ派と利上げ先延ばし派で意見が真っ向から衝突。このような状況で9月を迎えると、利上げが実施されてもされなくてもサプライズに。結果、株式相場、為替相場が激しく動くことになるでしょう。
ユーロリスク
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6~7月にかけて一番注目されていた話題と言えば、ギリシャ・デフォルト問題です。デフォルトの瀬戸際で何とか交渉成立。金融支援を獲得したギリシャは、何とかデフォルトせずに凌いでいます。
デフォルト回避になったからといって、根本的な問題が解決されたわけでなく、問題がただただ先延ばしになっただけです。ユーロは引き続き “爆弾” をかかえていると考えられます。
債務返済が近づくにつれ、ギリシャ問題が市場をにぎわすことになるでしょう。9月にも一荒れあるかもしれません。
セプテンバーリスク対策
セプテンバーリスクの対策法ですが、こういう時こそ冷静沈着に。これが一番の対策です。
保有中の株に関してですが、業績好調という根拠に基づいて保有している株ならば、継続保有で問題ないと思います。もちろん、業績好調という前提が崩れそうなら、売却を検討することになりますが。
また、業績をあまり意識せずに保有している株は、9月前に処理するのも一つの手かと。タイミングを見計らって、賢い選択ができたらいいですね。
忘れていけないのが、シルバーウィーク。日本市場はお休み(9月19日~23日)になりますが、外国市場は通常通りオープンしています。その間ビックニュースが流れるようなことがあると、連休明けの日本市場は大荒れに。
休日を不安なく満喫したいなら、保有株のポジション調整をしましょう。
セプテンバーリスク まとめ
セプテンバーリスクの主な要因は3つありました。
・中国リスク
・アメリカリスク
・ユーロリスク
とりわけ注視したいのが、中国リスクです。セプテンバーリスクが前倒しで表面化する可能性がありますが、いつでも冷静沈着に。これが相場と向き合う絶対条件です。(執筆者:堀 聖人)