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子供にはやりたい習い事をさせてあげたい、将来のために習い事をさせてやりたい……。子供の教育にはお金を惜しまない・惜しみたくないと考えている人は少なくありません。しかし、お金は有限のものですし、また時間も有限なのですから、際限なく習い事をさせるわけにはいきません。
一般的には「聖域」とされがちな教育費について、今回は習い事にかかる費用を考えてみたいと思います。
目次
親の自己満足になっていないか考えよう
まず、現在させている習い事が、本当に必要なのか? について考えてみましょう。
・本人の希望でやらせたが、今は惰性で続けている
・よく考えると、子供には向いていない気がする
こういったことはありませんか?
本人がイヤイヤやっていたとしても続けることで将来的には良い結果になることもありますし、惰性で続けていてもある日突然やる気を出してくれることもあるでしょう。
また、子供自身にその習い事が向いていないようでも、たとえば「最低限50メートルは泳げるようになった方がいい」など、基礎的な能力を強化するという意味では続ける意義もあるかもしれません。
しかし、親の自己満足になってしまい、子供自身が乗り気でない習い事をいくつもやるのはおすすめしません。1つぐらいなら(そして続ける意味があるなら)、いいでしょうが、複数の習い事において本人が楽しく通えていないなら、本当に続けていいのか考えなおしてみてはいかがでしょうか?
家計に占める教育費の割合は?
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習い事にかけるお金はキリが無いので、一般的なデータを参考にするのもおすすめです。
ベネッセ教育総合研究所の調査によると、幼稚園~小学生ぐらいまでは年間30万円程度の教育費をかけていることが分かります。
中高生になると塾・予備校に行く子供が多いこともあって、40~50万円程度になります。
これを家計における割合にすると、こうなります。
・年収300万円世帯 ⇒ 幼児4.3~9.6%/小学生6.2~8.5%/中高生9.2~12.8%
・年収500万円世帯 ⇒ 幼児3.6~6.9%/小学生4.8~5.9%/中高生7.2~9.7%
・年収700万円世帯 ⇒ 幼児3.5~6.1%/小学生4.4~5.8%/中高生5.8~8.2%
・年収900万円世帯 ⇒ 幼児3.4~4.8%/小学生3.7~5.2%/中高生5.5~7.4%
収入が比較的低い家庭でも、教育費は聖域としてあまり節約を意識されておらず、結果として家計に占める教育費の割合が高くなっていることが分かります。
現在習い事や塾などに支払っているお金が家計に占める割合を計算してみて、高すぎないか検討してみてください。
教育費を聖域にしないで向き合うことが大事
教育費は、ある程度子供の成績が学歴に比例することは分かっています。しかし、だからと言ってお金をかければいいというものではないですよね。
それこそ、幼児や小学生のうちにお金をかけすぎたせいで大学資金が貯まらない、ということになっては本末転倒です。家計が将来どうなっていくかをシミュレーションをしてみて、必要であれば習い事の費用に手を付けることも考えましょう。
惰性で続けているだけのものなど、意味が無さそうな習い事についてはいったん辞めてみて、またやりたくなれば再開する、という方法をとるだけでも節約になりますよ。(執筆者:吉見 夏実)