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FX取引をしている、または外貨預金などの外国為替に関心があるなら、各国の政策金利についての知識が欠かせません。ここでは、FX取引や為替レートに影響を及ぼす政策金利について解説していきます。
目次
この記事の結論
政策金利とは、その国の中央銀行が民間銀行にお金を貸出すときの金利を指します。その政策金利とFXのスワップ金利は連動しますので、FX取引をするなら政策金利への理解が重要です。
政策金利とは
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まず理解しておきたいのが、政策金利の意味です。
政策金利とは、その国の中央銀行が民間銀行にお金を貸出すときの金利を指します。
この政策金利はどのように決められるのでしょうか。簡単に言いますと、景気が良いときは政策金利が高くなり景気が悪くなると金利が下がる傾向にあります。
様々な事情が絡んで、景気が悪くても政策金利を上げなければならない状況がないわけではないのですが、基本的には、好景気=高金利、不景気=低金利となります。
政策金利とFXスワップ金利の関係
経済や為替に関心のある人は、「スワップ金利」というワードを見聞きしたことがあるかもしれません。このスワップ金利と政策金利はほぼ連動していると考えてください。
FX通貨は一つの通貨に対し一つの通貨を買う、または売るという取引を行ないます。政策金利が高い通貨を政策金利の低い通貨に対して買うことで金利差が生じます。
この金利差によって得られるのがスワップポイント、スワップポイントを主な目的としてFX取引することをスワップ運用と言います。
たとえばNZD/JPY(ニュージーランドドル/日本円)通貨を一例に見てみます。日本円は低金利の代名詞、現在(15年12月)の政策金利は0~0.10%。それに対し、NZドルは2.75%となっています。
つまり、日本円に対しNZドルを買うことでそれ相応のスワップ金利が発生し、毎日スワップポイントを受取れるわけです。これがFX取引によるスワップ運用であり、政策金利とスワップ金利の関係です。
政策金利変動で何が起こるか
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各国の政策金利は一定ではありません。景気変動に応じて金利も調整が図られますので、頻繁に変動すると思ってください。
では、政策金利が変動すると何が起こるのでしょうか?
ちょっと考えてみて下さい。もしあなたが銀行に預金をするとしたら、高金利と低金利、どちらが嬉しいですか? 高金利なほうが嬉しいのは言うまでもありませんね。
世界中の人は同じように考えます。もし一国の政策金利が上がったとすると、その国の通貨を保有していればより多くの金利を受取ることができます。ですから、政策金利が上がればその国の通貨は買われることになり、通貨高が生じます。
逆に、政策金利が下がれば受取れる金利が下がることになりますから、「この通貨はいらない」ということで通貨が売られ、通貨安が起こります。
まとめると、
となります。
FXスワップ運用中にはこの金利リスクがつきものです。通貨を買ったときの政策金利が高くても、その金利が下がってしまうと付与されるスワップポイントが下がってしまいます。
そうすると利益率が下がってしまうことになるので、スワップ運用を始めるときには金利リスクについてよく理解しておくべきです。
政策金利発表スケジュール
各国の政策金利は突然発表されるものではなく、あらかじめ予定されているスケジュールに基づいて発表されます。
市場は政策金利を予想して通貨取引を行ないます。大方の予想を参考にして、たとえば大幅な利下げの可能性が高いときは、政策金利発表前に保有中の通貨を一旦売ってしまうのも取引手段となるでしょう。
スワップ金利がどんなに高くても為替差損が生じると、トータルでの獲得利益がマイナスになることもあります。毎月予定されている各国の政策金利発表スケジュールは、要チェックです。
では、今月12月に予定されている政策金利発表スケジュールを参考までに見てみましょう。
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今月特に注目したいのは、16日のアメリカ政策金利発表と22日のトルコです。アメリカはいよいよ利上げ、というのが市場の見方ですし、トルコも追随して利上げを決行する可能性があります。
ちなみに、現時点での各国政策金利はどれほどなのでしょうか? 外為どっとコムさんから画像をお借りしてきましたので、ちょっと見てみましょう。
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画像を見ていただければ一目瞭然、先進国の金利は低く、トルコや南アフリカなど新興国はもっぱら高金利となっています。
筆者はSBI FXトレードでNZドルと南アフリカランドを、ヒロセ通商でトルコリラをスワップ運用しています。参考までに、SBIFXトレードの建玉一覧をご覧ください。(iPhone画面)
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・通貨保有量:1,500NZドル
・評価損益:9,840.85円
・累計スワップポイント:857.64円
・取引通貨:ZAR/JPY(南アフリカランド/日本円)
・通貨保有量:30,000ランド
・評価損益:-953円
・累計スワップポイント:1,066円
NZドルは大幅にプラス。一方で、南アフリカランドスワップ運用のほうは評価損益がマイナスとなっています。NZドル、南アフリカランドの2通貨は、長期的に見ると通貨高になっていくと予想していますので、継続保有の予定です。
政策金利とスワップ金利の関係、そしてスワップ金利を生かしたスワップ運用、だいたいのイメージが湧いたでしょうか。参考になれば幸いです。(執筆者:堀 聖人)
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