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原油安で失速した日本株

思うように利益確定できない2015年末でした。12月1日には2万円を超えた日経平均もタッチリターンするように下落し、1万9000円前後で彷徨うまま大納会を迎えることとなりました。
背景には原油価格の下落が挙げられるとのことです。
調べてみると、原油価格は2014年半ばから下落を続けているのですね。知らなかった…。日経新聞(電子版)のトップページ『主な経済指標』の一番下に「NY原油」が載っているのは知っていましたが、それほど気にはしていませんでした。
2014年6月には100ドルを超えていたものが50ドル近くまで下落して2015年に入り、2015年終盤に40ドルを割り込む展開になっています。3分の1近くも価格が下落すれば、動揺するのも当然ですね。
原油安、恐るるに足らず

しかし、原油価格が下落して日本経済にダメージが及ぶというのは理解に苦しみます。国内に地下資源がまったくと言って良いほどない日本が、資源価格の高騰で原材料調達に苦しみダメージを受けるというのなら、素直に理解できるのですが。
きっとこういうことなのでしょう。
実際、欧米がクリスマス休暇に入る年末は、為替も日経平均も行方を求めてウロウロしているような印象を受けました。日本市場は外国人頼みなのですね。とはいえ、上の因果関係は遠回りでまどろっこしいです。
こちらの方がずっとシンプルで分かりやすいです。中東オイルと米国シェールオイルとの競争が背景にあるようなので、2016年もまだまだ原油価格は低位で推移するようです。となると、じわじわと原油安の恩恵が効いてくる日本企業もあるのではないでしょうか。
原油安の恩恵を受ける日本企業は?

2016年初頭から注目の、原油安の恩恵を受けやすい(=原油をたくさん輸入・消費している)企業を挙げておきます。
●住友化学〈4005〉東レ〈3402〉旭化成〈3407〉などの、原油から製品を生産するのがお仕事の企業。
これらの企業が、じわじわと営業利益を拡大していく2016年になるのではないでしょうか。
それに、私の足元ではガソリン価格が未だにイマイチ下がらないのが残念なのですが、ガソリンや灯油などの末端価格がきちんと下がってくると、日本人の消費意欲も上昇してくるはずです。(執筆者:徳田 仁美)