年間120万円までの購入枠が認められているNISA。これから株投資でNISA枠を使おうと考えているなら、「ESG銘柄」に対象を絞って投資してみるのはいかがでしょうか?
国連も投資の際にESGに配慮するよう求めており、ESG銘柄が投資対象として注目を浴びています。
今回の記事では、ESGとは何か、またESG銘柄を具体的に紹介します。
目次
この記事の結論
環境・社会・企業統治の3つの要素において高評価のESG銘柄を紹介しますが、とりわけ東レ(3402)、日産自動車(7201)、東京急行電鉄(9005)、KDDI(9433)が “強い” 銘柄となっています。
ESGとは「環境」「社会」「企業統治」
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はじめに、今回のメインテーマ、ESGについて簡単にご説明いたします。ESGとは……
・Social(社会)
・Governance(企業統治)
……以上、3つの単語の頭文字を合わせたものです。
企業を環境・社会・企業統治という3つの要素から分析し、評価の高い企業がESG銘柄、それらESG銘柄に投資をするのがESG投資です。
「環境」という要素に関して言えば、二酸化炭素排出量削減への取り組みなど環境保護への配慮、「社会」は、従業員施策や社会貢献活動などの評価、「企業統治」は、法令順守への意識の高さが主な要素構成となっています。
法令順守……ですから、ESG銘柄の中に、従業員に対するパワハラ、過労やサービス残業などを強いてしまった “あのブラック企業” は含まれません。
要は、足元の業績よりも、将来的に成長できる潜在能力を秘めた銘柄への投資、と言えるでしょう。どこか著名投資家バフェット氏の投資術に重なる部分があるのかと。
一般的に、投資家は好材料・好業績の株を買いますが、バフェット氏は悪材料が出て割安になった優良株に投資をします。
ESG銘柄は環境・社会・企業統治の3つの面で優れており、バフェット氏が重要視している「優良株」という面で共通していると見ています。
ESG15銘柄のうち4銘柄は3年連続なでしこ銘柄
具体的に、ESGという観点から見た “優良株” は15銘柄あります。
その銘柄を見ながらESGについて考えたのですが、S(社会)という要素に関し、経済産業省が2012年から毎年選定している「なでしこ銘柄」と通じるものがあるようです。
なでしこ銘柄の選定基準は、「女性活躍推進に優れた上場企業」。これはESGのSが求める要素と関連しているわけです。
つまるところ、ESG銘柄となでしこ銘柄の両方に選定されている銘柄は強いと、仮定できるのかと思いました。
東京証券取引所グループが調査会社(株式会社グッドバンカー)とともに行った調査では、東証1部の銘柄を対象に、ESG銘柄として15社を選定しています。
以下、ESG15銘柄と同時に、なでしこ銘柄に3年連続選出された企業を見てみます。
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東レ、日産自動車、東京急行電鉄、KDDIは強いのか。
足元では中国景気後退と原油安の波が押し寄せ、日経平均は1年3か月ぶりの安値となる16416.19円(1月20日終値)をマークしています。
ならばバフェット流に、ESGという優良銘柄が割安になったときを見計らって仕込んでみるのはいかがでしょうか。(執筆者:堀 聖人)