マイナス金利の今、あなたにも3つの選択肢　「買う・買わない・乗り換える」

1月末、黒田日銀が「マイナス金利」を導入すると発表しました。マイナス金利は民間銀行が適用対象で、個人の預金口座は対象外です。

しかし、そのしわ寄せが切迫しています。マイナス金利施行によって、あなたも何らかの選択を迫られているんですよ。

現時点で、マイナス金利の影響が表面化している点にスポットを当ててみました。乗り換えたいもの、買いたくないもの、買いたいもの。3つの面を順番に見てみましょう。

乗り換えたいもの

乗り換えたいものBEST1は、

でしょ。

今、ローン返済のためにせっせとパートの仕事をしている奥さん、朗報です。マイナス金利のおかげで住宅ローン金利が下がるかもしれません。

執筆時点で新生銀行は、住宅ローンの一部の金利を0.05～0.1%（年率）下げることを発表済みです。新生銀行は一例に過ぎず、他行も追随すると思われます。

借入先の金利よりも他行の金利のほうが低いなら、借り換えが一つの選択肢になりますから、乗り換えを積極的に考えてみるのはいかがでしょうか？

ローン完済が早まるかも、ですね！

買いたくないもの

マイナス金利が個人に及ぼす負の影響が出始めていますよ。たとえば……

日本国債

買っちゃだめです。長期金利が過去最低を更新しています。

他サイトの国債チャートを拝借↓

安全で手堅く、銀行預金金利よりも高金利で、ということで今までは日本国債投資に注目が集まっていましたけど、国債長期金利が史上最低を更新です。

どうしても日本国債を買いたいならば、証券各社が実施している期間限定キャンペーンの利用が必須。

たとえば、SMBCフレンド証券の2月の個人向け国債キャンペーンでは、購入額に応じて三井住友VJAギフトカードを贈呈、となっています。

ギフト券を利回り計算すると、0.30％ですから、債券金利の0.05％と合わせて0.35％（税引前）です。

ちなみに、3,000円が貰えるのは1回限り。2年目以降の金利は指定の金利分（固定金利なら0.05％）のみとなりますが、国債は1年保有すると中途解約可能です。

5年債でも10年債でも1年限定で保有すれば、0.35％（税引前）の金利は確保できます。ただし、下に記載しますけど、地方銀行ネット支店1年定期金利0.40％よりわずかに低いんですよね。

元本保証の定期預金で金利0.40％を確保できるなら、国債よりも銀行定期預金のほうが気軽に資産運用できるんじゃないかと思いますけど。

銀行定期預金

マイナス金利によって民間銀行のコスト負担が増えることになるので、そのコスト負担のしわ寄せが個人定期預金金利にくると思われます。

実際、日本の3大メガバンク（三菱東京UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友銀行）は、定期預金金利を2月8日から引き下げると発表しています。

300万円未満のスーパー定期金利は、預入期間1か月～10年いずれの場合も0.025％。100万円を預入で1年後に受取れるリスクは250円（税引前）ということですね。

プッ。思わず吹き出しそうな利息額……。

以前紹介したことのある、金利が高い地方銀行ネット支店の定期預金金利は、今のところ変化は見られません。

しかし、「荘内銀行　わたしの支店」では、

とのこと。「金利情勢の急激な変動」で、適用金利を下げることを検討しているのは明らかです。上の4つの銀行は1年定期0.40％をキープしているものの、追随が予想されます。

定期預金で資産運用を考えているなら、申込は早めが良いかと思いますよ。

買いたいもの

マイナス金利なので、買っておきたいものがあります。

金庫関連株

マイナス金利の間接的影響で銀行預金金利が下げられますね。ソニー銀行の普通預金金利は0.001％、100万円で10円の利息です。何かの冗談かと思ってしまいますよ。

そうすると、銀行・債券よりも現金を金庫で保管と考える人が少なくない、かも。金庫関連銘柄を買っておきます？

実際、マイナス金利発表後に急騰した金庫関連銘柄があるんですよ。

1月29日、耐火金庫を手がける日本ISK（7986）の株価が急騰しています。どうも、マイナス金利⇒金庫が売れる⇒金庫関連銘柄！　という発想が起きて買われたとか。

さいごに

マイナス金利の影響が着実に出てきていますね。

マイナス金利で日本の景気を刺激できるかは全く不透明ですけど、個人への影響となると見過ごすわけにはいきません。

あなたは、買う？　買わない？　それとも乗り換える？（執筆者：堀 聖人）