ふるさと納税や医療費控除で税金の還付を受けようとする場合、確定申告する必要があります。
サラリーマンなどの給与所得者の多くは、年末調整で税金の計算が終了するので確定申告についてはなじみがない方も多いのではないでしょうか。
今回はふるさと納税や医療費控除による税金の還付を受けるため、サラリーマンなどが確定申告をする場合の申告書の書き方について具体的に説明していきたいと思います。
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目次
1. 添付書類等の確認
確定申告をするために次の添付書類が必要になります。
–源泉徴収票
勤務先から発行されます。
–医療費の領収書
診察を受けた病院などから発行されます。納税者本人の医療費の他、生計を一にする親族の医療費で、納税者が支払った医療費も対象になります。
–ふるさと納税の受領書
ふるさと納税をした自治体などから発行されます。
2. 医療費の明細書の作成
記入例
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医療費控除を受ける際、確定申告書に「医療費の明細書」を添付します。明細書の下部に控除額を計算する箇所がありますので、忘れずに計算してください。
なお収入が1か所からの給与収入のみの場合、源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」が合計所得金額になります。
3. 確定申告書への記入
記入例等
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手順1 第2表の記入
確定申告書には第1表と第2表がありますが、第2表から作成していきます。
–源泉徴収票からの転記
黄色のテキストボックスがある箇所については、源泉徴収票の対応する箇所の金額を転記します。
–医療費控除に関する事項の転記
赤のテキストボックスの箇所については、先程作成した医療費の明細書の、対応する箇所の金額を転記します。
–ふるさと納税に関する事項の記載
青の目印がある箇所については、ふるさと納税の受領書に記載されている情報を転記します。複数の自治体にふるさと納税を行っている場合は、その合計額を記入してください。
手順2 第1表の記入
第2表を作成した後は、第1表を作成していきます。
–源泉徴収票からの転記等
第2表で記載した内容を基に第1表を記載していきます。年末調整時から扶養控除などの異動がない場合は、源泉徴収票の金額をそのまま転記すれば済む箇所がたくさんあります。
黄色のテキストボックスの箇所がそれに当たります。
–医療費の明細書からの転記
赤のテキストボックスの箇所については、医療費の明細書の対応する箇所から金額を転記します。
–寄付金控除の額の記載
青のボックスの箇所については寄付金控除の額を記載します。寄付金控除の額は次の計算式により算出します。
次のいずれか低い金額-2千円=寄付金控除額
ロ その年の総所得金額等の40%相当額
–還付先の金融機関の情報の記入
確定申告により税金の還付を受けることができる場合は、必ず還付先の金融機関の情報を記入しておいてください。
4. まとめ
以上、医療費控除とふるさと納税による還付を受けるための確定申告書の書き方について説明させていただきました。
医療費控除とふるさと納税、双方とも手順さえ理解すれば確定申告書の書き方はそれほど難しいものではありません。
これらの制度は住民税の控除対象にもなるお得な制度ですので、対象となる医療費がある場合やふるさと納税をした場合は必ず確定申告をしてくださいね。(執筆者:高垣 英紀)