日銀によるマイナス金利導入の影響もあり、住宅ローンの金利はこれまでになく低い水準になっています。
また来年4月から消費税が増税される予定です。
・具体的に予定していた、住宅購入
・今まで考えていなかったけど、考え出した住宅購入
いろいろな方がいらっしゃると思いますが、いよいよ具体的に住宅の購入を考えようという方も多いと思います。
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住宅というのは人生で一番と言っていいくらいの大きな消費です。少しでも経済的に安く、お得に購入したいと思われるのは当然です。
ただ、こういう時だからこそ、あえて自分自身に問いかけてみてください。
私は住宅の購入には意識するとしないにかかわらず、少なくとも次の2つの意味(価値)があると考えます。
目次
家を手に入れる2つの意味(価値)
1. 「より良い居住・生活環境」を手に入れる
マイホームを買うきっかけとして、子どもが生まれたり、成長したり結婚したり、ということが多いです。自分を含めた家族が、より良い居住・生活環境を手に入れようということです。
つまりマイホームを活用して、より良い人生を過ごしたい、言い換えると、マイホームの「利用価値」といえます。
2. 「住宅という不動産、個人資産」を手に入れる
「資産」として意味をもつのは、購入したマイホームを「売却」したり誰かに「賃貸」したりする場合です。
言い換えるとマイホームの「交換価値」といえます。
この場合、購入する住宅の「資産性」が問題となります。マイホームを購入し、こういった価値を手に入れると同時に購入した住宅を維持管理する義務(負担)が生じます。
住宅を購入する場合、多くの方は住宅ローンを利用します。マイホームを維持するためには住宅ローンを毎月返済できなければなりません。
住宅ローンだけでなく固定資産税やリフォームのための費用、火災保険、マンションであれば管理費や修繕積立金などが維持管理のために必要となります。
私はマイホームを購入するということは、これらの価値と義務をどのように考えるかということだと思います。
一度きりしかない長い人生に、経済的にも、精神的にも、時間的にも大きく影響するのが「マイホームの購入」だと思います。
その中で
・自分が所有する「資産」をどのように活用するか、あるいは最終的に処分するのか?
・生活する「場所」、「環境」、「資産」を手に入れるために、どこまでの「義務(負担)」を負うのか?
これは個人の考え方や価値観の問題です。
ライフプランを考える
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住宅を購入するという判断になったとすれば、初めに「人生設計」すなわちライフプランを考えてみてください。
ライフプランとは人生における、出産、進学、就職、結婚、などライフイベントを把握しながら、長い期間(スパン)で、お金の流れ(キャッシュフロー)や貯蓄(ストック)を想定・把握しようとするものです。
住宅購入は人生の中で迎えるいくつかのライフイベントの1つにすぎません。
ライフプランを作成することによって、あなたの人生全体の中での住宅購入の意味や価値が分かりやすくなります。
またライフプランを立てることによって
・購入する物件や建てる家の判断要素の1つになる
・資金計画や返済計画が明確になる
住宅を購入し維持管理していく上で、問題ないかどうか、無理がないかどうかの判断になります。
つまりライフプランを作成することはあなたの住宅購入に対する考え方や価値観、負担を、具体的に明確にする1つの方法です。
マイホームを購入して、「こんなはずじゃなかった」ということにならないように考え方(価値観)やライフプラン(人生設計)をしっかり確認して行動しましょう。(執筆者:吉満 博)