葬儀費用を安くしたいけれど、お式の質は悪くしたくない

実際の見積りの際には、どうしてもそういう見栄が働くため、祭壇の花を増やしたり、壺や棺のグレードアップをする人が多く、
予定よりも葬儀費用が高くなる傾向にあります。
葬儀費用をおさえるためには、骨壺や棺、お道具類のランクを落とし、むやみに料理などの数を増やさないことが一番です。
しかし、亡くなった方や喪主(施主)が地位のある方やお付き合いの多い方だった場合は、会葬者予定も多くなり、やむを得ずお道具類のランクを上げたり、増やさなければならないケースもあるでしょう。
ここでは、出棺のタイミングから考える棺のランクアップや献花費用について、お話したいと思います。
出棺のタイミングは「式前」か「式後」か?
地域にもよりますが、葬儀の前に出棺をする式前出棺(骨葬)と、葬儀終了後に、会葬のみなさんと出棺の儀を執り行う式後出棺の2つのケースがあります。
式前出棺の場合、喪家と身近な親族のみで集まり、ごく少人数で出棺をするのが通例です。式後出棺の場合には、葬儀終了後、そのまま出棺の儀が執り行われます。
式前出棺と式後出棺の大きな違いは、ズバリ集まる人数の差です。
式後出棺の場合、多くの人がその場に残って参加されるため、無地の木棺では見栄えが悪いと棺のランクアップする方が多くなります。
それに対して、式前出棺の場合、身内しかいないし、すぐに火葬で燃えてしまうからと、棺のランクにこだわる方は少ないです。
ちなみに骨葬の場合、専用の布カバーがあるため、中の骨壺は見えません。
ただし、式前出棺では祭壇用の花が使えず、出棺花(棺に手向ける花)の購入費がかかる場合があります。
だいたい1~2万円程度です。こちらは、葬儀社にもよりますが、わからない程度に献花段花(祭壇横等に飾られている贈り物の花段)から抜いたり、外部購入で安くすませることもできます。その辺りは、担当者に直接相談してみると良いでしょう。

式前出棺だと棺のランクをあげずに済むと考える方が多い
のは、
葬儀社勤務中の経験談からくる事実です。
しかし、死亡時刻(亡くなってから24時間は火葬できない)、火葬場の混雑具合、地域性や宗教宗派によっては、どちらか一方しか選べない場合もあります。
もちろん、式前出棺にどーんとお金をかけてもかまいませんし、式後出棺だからと無理せず、そのまま木棺を使っていいのです。そこは、人それぞれの価値観、考え方ですからね。
最終的に葬儀費用でお金をかけるべきところ、削るべきところの判断は、喪主の裁量にゆだねられます。
あなたが喪主になる可能性があるなら、冷静なうちにどこをどうするか、骨組みだけでも考えておくと良いでしょう。(執筆者:吉武 なおこ)