目次
今、再び脚光を浴びている「ビットコイン」

先日、日銀が金融緩和政策として、マイナス金利の導入を決めました。
これにより、我々一般市民の中には住宅ローンの低下という恩恵を受けた方がいる一方、普通・定期預金の金利は低下、株価は大幅下落とマイナスの影響も大きく受けています。
そんな中、意外なものが脚光を浴びています。
それがビットコインです。
ビットコインは昨今大ブームのフィンテックの本命とも言われ、注目を集めていたのですが、資産運用の選択肢の一つとして検討を始める人が増えています。
今回は、投資対象として見た、ビットコインについての基礎知識をおさらいしたいと思います。
ビットコインは怪しい?
正直、日本でのビットコインのイメージは最悪です。
ビットコインについてどう思うか、知人に聞いたところ
「宗教みたい」
「もうだめだと思う」
とネガティブな意見が目立ちました。
中には「ビットコインって破綻したのでは?」との声まであります。
日本でこの悪いイメージを決定づけたのは2014年のマウントゴックスの破産です。
マウントゴックスとはもともと日本に拠点を構える当時最大のビットコイン取引所でした。
その元CEOが業務上横領を行い、逮捕されたことで「ビットコイン=悪」というイメージが決定的になってしまいました。
しかし、そもそもマウントゴックスは数あるビットコイン取引所の一つです。
その1社の不祥事は、ビットコインの、ひいてはブロックチェーン技術そのものを否定するものではありません。
現在その反省を生かし、国内でもbitFlyer(ビットフライヤー)やbitbank(ビットバンク)など多くのビットコイン取引所が存在しており、再び注目を集めてきています。
そもそもビットコインとは?

ビットコインを知るうえで抑えるポイントは3つです。
(1) ゴールド(金)と似ている=発行量が限られている
ゴールド(金)は発行量が限られているからこそ希少性があり、金融史上その価値が廃れることはありませんでした。
ビットコインも同様に、実は発行される量が最初から組み込まれており、最大発行数が2,100万ビットコインとされています。
これは開発者でさえ操作不可能です。
マイナス金利政策や量的緩和を続け自国の通貨をコントロールしようとする円・ドルなどの法定通貨とはこの点が決定的に違います。
(2) 電子マネーと似ている=実体がない。電子上のデータにすぎない
ビットコインは取引の信頼を第三者が担保する仕組みとなっており、それは世界中のネットワークに接続されているコンピューターで行われます。
つまり、みんなで不正がないように監視しあう分散型のシステム(=ブロックチェーンといいます)によりビットコインは通貨としての「信頼」を得ています。
このブロックチェーンの技術により、実際に「モノ」として存在していなくてもここまで信頼されてきました。
「モノ」としての実体がない点は、皆さんがよく利用する電子マネーと似ています。
ただ、正確には「ビットコイン=電子マネー」というわけではありません。
Suicaや楽天Edyなどは電子マネーですが、ビットコインではなく、あくまで円です。
ビットコインは元来電子マネーとしての性質を備えた通貨と捉えるのが正確です。
そして、通常電子マネーはその情報を管理する特定の会社が存在するのと異なり、ビットコインには上述の仕組みからそういった絶対的な権力者がいません。
(3) FXと似ている=取引所で24時間取引可能。さらに土日まで
フィンテックの代表格として注目を集めるビットコインですが、現実には日本国内で利用できるところはまだ少なく、実用としてはほとんど使えません。
そもそも、ビットコインで購入できるサービスがリリースされるとニュースになる位です。
これはインターネット黎明期を彷彿とさせます。
当時Webサイトというのがほとんどなかった中、各企業が公式Webサイトを立ち上げただけでちょっとしたニュースになっていましたが、今では、企業がWebサイトを立ち上げても当たり前すぎてニュースにはなりません。
これと同様、近い将来、様々なサービスがビットコインで決済可能になってもニュースにならないくらい当たり前の世の中がくるのかもしれません。
そんなビットコインの現在の取引のメインストリームは投資・投機目的、つまりFXや外貨預金のような金融商品としてとらえるのが適切です。
ビットコインは現在、ビットコイン/円、ビットコイン/ドルなどの通貨ペアとして、売買することが可能です。
他の通貨ペアと同じように24時間取引可能で、さらにそれに留まらず、ビットコインは国の祝日という概念がないため、土日も取引が可能です。
さらにビットコインは、市場参加者がまだ少なく、各国経済指標やニュースにも振り回されることが少ないため、テクニカル分析上比較的素直な動きをするといわれ、こういった点が個人トレーダーに人気です。

そもそも貨幣はなぜ価値を持つのか?
ビットコインはそもそもの貨幣の考えを根底から覆すといわれています。
たとえば、みなさんが手にする1万円札。
福沢諭吉の絵が描かれているただの紙切れであるにも関わらず、それを使って多くの財やサービスを受けることができます。
この紙切れの枚数によって人としての魅力が左右したり、人の人生を左右してしまうような出来事さえ多く起こります。
これは、発行元である日本銀行を信頼しており、今日、明日、そして数年後もこの紙切れを使って財・サービスを購入できるという信頼によるからこそ成り立ちます。
情勢が不安な中国のような国家では、一部の人間は自国の通貨を「信頼」しておらず、そのため、自国通貨からビットコインへ資産を移す動きも見られます。
ビットコインの信頼が今後さらに増すと、他の法定通貨にどのような影響を及ぼすのか、それに対して各国はどういった金融政策を取るのか、まだまだ未知数です。
いくらから購入できる?
ビットコインの現在の価値を見ていきましょう。
0.1ビットコインから購入できる取引所が多いので、5,000円程度から購入することが可能です。
2010年5月、初めて実際のピザ屋でピザと交換したときの価値が1ビットコイン0.2円だったことを考えると、この6年で価値は24万5,000倍にもなっています。
その当時からビットコインを持っている人々は億万長者となっており、彼らに続けと、今後のさらなる値上がりに期待し投資している人が増えています。
ボラティリティ(変動率)が高いので、大事な資産の多くを投資することはおすすめしませんが、フィンテックの大本命であるビットコインの行方を注視することは無駄ではありません。
今後この仮想通貨の価値がどうなっていくのか、フィンテックの大本命ビットコインの行方にぜひ注目してみてください。(執筆者:国府 勇太)