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権利獲得落ち日とは
3月29日は配当及び株主優待の権利獲得落ち日でした。
上場企業から配当金や株主優待を取得するためには、権利確定日の3営業日前の取引終了時点で株式を保有する必要があります。
その翌営業日は権利が過ぎてしまい、株主として権利が得られる配当金の差額分、株価が目減りするので「権利落ち」とも呼ばれています。
上場企業は3月決算の会社が7割となっており、他の決算月に比べて圧倒的に多いです。
中間決算の9月や、最近は12月決算の会社も増えており、権利落ちの影響もありますが、やはり一番影響が多いのは3月です。
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権利落ち日は日経平均株価が下落
そのため、3月の権利落ち日は日経平均株価が下落する傾向が多いです。
配当権利獲得日が近づいてくると、高配当株や株主優待が魅力の株を狙おうとしますが、権利落ちの株価下落幅は得られる配当金以上になりますのでご注意ください。
特に、権利落ち直前の数日は買いの需要が高い一方、売りを判断する投資家は少ないので、株価は上昇基調が強まっていきます。
高い株価で無理やり配当権利を獲得しても数日で後悔しますので、気を付けましょう。
オススメは配当権利落ち直後に割安になった株
逆にお薦めなのが、配当権利落ち直後に割安になった株を掴む方法ですね。
この投資だと、次の配当権利を獲得するのは早くても半年、長ければ1年先になるため、高配当株や優待株に誰も興味を示さなくなるのです。
また、先ほど書いたように配当権利獲得狙いの投資家が、早く換金売りをしたくてどんどん売却する一方、わざわざこのタイミングで買う投資家は極端に少ないので、安い株価で購入できます。
多くの個人投資家は、短期的な売買で利益を得ようとするあまり、投資対象の長期的な収益力を計算したり、考えたりしないのです。
実際、保有年数によって株主優待の充実度が上がる企業もあるので、短期保有対策をしているケースもあります。
会社四季報をチェックすると、2016年度より2017年度の配当金予想が高い会社もあり、すぐに売ったらもったないないと思うのですが、高配当株でも長期投資は少数派ですね。
逆に、有望株を掴む知識と、1年以上保有するという意志があれば、投資はうまくいくでしょう。
私も昔、高配当株を権利落ち直後に買えば割安だと気付き、2009年から2011年にかけて4度分割購入した株がありますが、今では配当金を毎年もらいながら利益は100万円近くあります。
一つの銘柄「J-REIT株」
もう一つの銘柄はJ-REIT株ですね。
REITは株式と比べて不動産投資が収益源のため、安定度は高いのですが、株価の変動は日々起こります。
そのため、権利落ち直後の割安な株価を狙って、2010年から2012年にかけて4回ほどコツコツ買い増しをしてきました。
それが今では利益が130万円ほどありながら、税引後8万円ほどの配当金が毎年入ります。
ちなみに購入時の株価は安かったこともあり、投資額は139万円ほどで、配当利回りは現在7.3%台です。
今、J-REITをすべて見渡しても、こんな利回りは存在しません。
投資のタイミングを判断する
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高配当株や株主優待が魅力の会社は、それだけを目的に投資をすると、ちょっとの利益しか出ませんが、長期的な収益力を見積もって、
自分は何年貰い続けるのか?
最後に売却をした時のキャピタルゲインも考えて、投資タイミングを判断すれば、お得な買い物ができます。(執筆者:坂本 彰)