最近、独身のまま高齢になって亡くなる方が増えている。
結婚しない男女、しても離婚してしまう男女が増えていたり、少子高齢化が加速していることから、いずれこんな時代が来ることは分かっていたことではある。
しかし、納得して独身のまま生き抜いたとしても、自分の死後の財産の扱いについてふと考えてしまう人も多いようだ。
死後の財産整理については、高齢者が遺産相続についてや、葬儀方式についての希望を書き留めるエンディングノートの普及などもあって注目されているが、肝心の自分が入るお墓は管理費を支払う家族がいてこそ管理されるもの。
身寄りがない場合は自分のお墓が、いずれは悲しい末路を辿ることをご存知だっただろうか?
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目次
独居者は死後、お墓をも失う?
もしあなたが独身を貫き、十分な財産を残したまま亡くなったとしよう。
この場合、当面は自分のお墓の管理料は工面できるに違いないものの、お金というものは有限。いつかはゼロになってしまう。
すると継承者のいないそのお墓は、使用権を放棄したかたちとなり、およそ30年ほどでお骨は合葬、あるいは納骨堂に一括で改葬されることになるという。
子孫が残っていれば代々のお墓の中に入って、今後もずっと親族に供養され続けることになるが、独身で、既に身内がいないという場合は、おおよそこのような道のりを歩むことになる。
言い換えれば、どんなに財産を残していても、特に対策をしなければ、この管理料でじわじわとお金が消えてしまうということだ。
これはちょっともったいないような気もする。
死後もお墓を存続させるか、それとも財産を寄付するか
もっとも、どんな場合も抜け道となる手段は用意されているもの。
このケースも例外ではなく、お寺によっては生前に多額の管理料を前もって渡しておくことで、以降も末永くお墓を管理してもらうという約束を交わすこともできるようだ。
自分のことはまだしも、両親や祖父母のお墓を管理されるのが辛いという場合は、こちらの方法を選択するのもいいだろう。
あるいはそういったものに一切の未練がないのなら、残った財産を懇意の会社、団体、あるいは自分が愛着のある自治体に寄付するのも悪くないかもしれない。
実際に高齢者が自分の住んでいる町に車椅子や救急車を寄進したという話はたまにニュースでも報じられるところだ。
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遺ったお金は自分の遺したい先に
独身にとっての人生最後の選択は、事実上自分の死後にまつわるものとなる。
それだけに、色々な情報を収集して、最良の選択を採る必要があるだろう。
人はいずれ絶対に死ぬ。
亡くなった後に多額の貯蓄が残っていても、相続先が決まっていなければそれら全ては国庫へと回ることになる。 国庫に送られたお金は国のものとなるために、広い目で見れば無駄にはならないものの、使い道については特定が非常に困難というデメリットがある
たくさんのお金を遺したまま、特に使うあてを決めないまま亡くなるというのは、やっぱりもったいない。(執筆者:小野 雄吾)