先回のコラム「誤解の多い遺族年金」にて老齢年金と遺族年金は全く別で、支給条件も支給額も異なる事を紹介しました。
では、遺族年金は一体、誰に、いくら、どんな仕組み(レシピ)になっているのかを見ていきましょう。
目次
自営業世帯の遺族年金について
自営業世帯とサラリーマン世帯では全く違いますので、混乱を避ける為に今回は自営業世帯の場合について見ていきます。
内容をより解りやすくする為に、
(1) 端数の数字は省略して万単位で説明します。
詳細数値は日本年金機構のホームページにて確認してください。
(2) モデル家族はサザエさんに出てくる、「伊佐坂先生」ご一家に登場して頂きましょう。(年齢は私の勝手な想像で設定しています)
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伊佐坂 お軽 52歳(専業主婦)
伊佐坂 甚六 20歳(大学浪人)
伊佐坂 ウキエ 17歳(高校生)
では、小説家の伊佐坂先生が交通事故で亡くなってしまった場合…残された遺族には年金は支給されるのでしょうか。支給されるとしたら、どんな年金が誰にいくら支給されるのでしょうか。レシピを順に見ていきましょう。
レシピ1 支給される年金は?
遺族基礎年金
レシピ2 支給される対象者は?
(1) 子供のいる妻・夫
(2) 子
※子供のいない妻・夫はもらえません。
子供がいる場合でも、全員が18歳の年度末を過ぎる(高校を卒業する)ともらえない。
レシピ3 支給額は?
加算額 子供がいると次の加算があります。
2人まで 1人につき22万円
3人目以降 1人につき 7万円
上記レシピで伊佐坂家の遺族年金を整理してみると、まず年金の種類としては遺族基礎年金が支給されます。
支給される人は妻のお軽さん(子供のいる妻:高校生のウキエさんがいます)です。
支給される額は、
となります(20歳の甚六さんは加算対象にはなりません)。
つまり、自営業世帯の場合は高校卒業までの子がいる場合に遺族基礎年金が支給されます。
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では、子供のいない自営業世帯の妻は何も貰えないのでしょうか?
いいえ諦めないでください。寡婦年金もしくは死亡一時金を請求することが出来ます。
それぞれに支給要件がありますが、子供がいないので遺族年金は何も貰えないと早合点して諦めないで下さいね。(執筆者:松山 靖明)